前回は、個人資産の「現金・預貯金」による保有は安全なのかを取り上げました。今回は、大金を失う人も少なくない、FXの基本的な仕組みについて見ていきます。

投資家を食いものにするFX会社も…

FX会社の中には投資家が損をして、自分たちが儲かるように操作をしている会社もあるといいます。そのひとつがロスカット狩りといわれる手口です。

 

FXで外貨を買って、その後に円安になれば為替差益が得られます。逆に円高になった場合には、損失が大きくならないように、損失が一定金額になったときに自動的に売却をしてくれるような注文を設定しておくことができ、これを逆指値といいます。たとえば、1ドル=110円で購入した後に、1ドル=108円まで円高になったら、売却してしまうような方法です。こうしておくと、損失を1ドル当たり2円で抑えることができるのです。

為替レートをFX会社が自由に決められる!?

問題は、FX会社の多くが相対取引と呼ばれる方法を採用しており、為替レートをFX会社が自由に決められるということです。これは、FX会社と投資家の間で価格を自由に決められる方法です。

 

株式投資の場合には、証券取引所を介して取引を行うので、どこの証券会社で売買をしても価格は変わりません。しかし、FXの場合にはFX会社が自由に価格を決めることができ、取引する会社によって価格が異なります。

 

前述のように、1ドル=108円になったら、損失を確定するための注文を入れている人がいた場合、FX会社は一瞬だけ1ドル=108円にして、その投資家の損失を確定させることも可能です。FX会社にあなたの大事なお金を奪われかねない仕組みになっているのです。

 

かつて南アフリカランドやトルコリラは高金利通貨として人気がありました。しかし、為替相場が変動すれば、金利分などすぐに吹き飛んでしまいます。

本連載は、2016年5月20日刊行の書籍『30歳から定年までで2億円つくるほったらかし資産運用術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本書の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本書の情報を利用した結果による損害、損失についても、幻冬舎グループ、著者並びに本書制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

30歳から定年までで2億円つくる ほったらかし資産運用術

宮園 泰人

幻冬舎メディアコンサルティング

年収減少、増税、年金不安・・・サラリーマンの老後はどん底貧乏間違いなし!! 「下流老人」「老後破産」・・・サラリーマンの多くが、老後の生活に不安を抱えています。定年後の安定した生活には最低1億円、ゆとりのある生…

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