「高値警戒感も台頭」と報じられるが驚くことではない
連日の大幅高で、「高値警戒感も台頭」と報じられるが、この「警戒感」というのがクセモノである。本当に水準の高さを警戒しているわけではないだろう。短期的に値幅が出たから、正確には「利食い売りによる押し目があるかも」くらいの気持ちだろう。水準自体はPERで15倍台、まったく割高感はない。
上昇幅で見ると、昨年大納会の引け値からは2,000円上がったが、2,000円の上昇幅は11月にも記録している。別に驚くことではない。
1ヵ月前の12月8日の終値は、3万2,307円だった。そこからは3,000円超の値上がりだ。率にすると約10%である。ここから10%上がるとすれば、ざっくり3万5,000円の1割だから3,500円だ。3万5,500円を起点とすれば3万9,000円、史上最高値を抜けてくる。実は史上最高値まであと1割、状況次第では1ヵ月もあれば届くところまできているのである。
これは数字のマジックで、3万5,000円なんていうレベルの株価を見慣れていないから、実感がわかないだけで、相場は、もう、そういうところまで来ているのである。
数字のマジックで実感がわかないというのは、市場関係者(プロ)も同様で、日経ヴェリタスが市場関係者を対象にしたアンケート(回答者は68人)で、2024年の日経平均株価予想の高値平均は3万6,971円だった。
回答者の半数が3万7,000円以下の予想にとどまった。ちなみに今日の高値3万5,839円までの上昇率は7%である。今年が始まって数営業日でその方々の予想の7割は達成されている。他人の予想にケチをつける気はないが、どうしたらそんな予想になるのか、僕には理解できない。ひとつの理由が、ここで挙げた「数字のマジック」で「高い値を出すのがなんとなく、憚られる」ということではないか。
史上最高値まであと約1割、3万5,000円は通過点に過ぎない
繰り返すが、史上最高値まで、ざっくりいって、あと1割だ。
4万円も現実味がある。QUICKコンセンサスによる来期(2024年度)の日経平均の予想EPSは今期着地見込み対比5%増益の2,500円だ。これをPER16倍で評価すれば4万円ちょうど。来期5%増益、EPS 2,500円×PER 16倍=4万円。
きわめてリーズナブルな予想だろう。いわずもがなの言葉で締めよう。本記事の読者ならおなじみのフレーズだ。ご唱和ください。
3万5,000円なんて通過点に過ぎない。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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