規制緩和で「対フィリピン投資」増加
フィリピンの投資促進機関である投資委員会(BoI)は、2024年に最大1.5兆ペソの投資を承認することを目指しています。
商務大臣アルフレド・E・パスカル氏は、BoIの公式な目標は1.1兆ペソの投資コミットメントですが、内部目標は1.3兆ペソから1.5兆ペソで、2023年に達成した数字を上回る、としています。2023年にBoIは1.26兆ペソの投資を承認し、前年の7,290億ペソから73%増加しました。
BoIは再生可能エネルギー、通信インフラ、銅・金他の貴金属の輸出など311のプロジェクトに対する投資承認を行いました。これらのプロジェクトが完全に稼働すると、49,030の雇用を創出する見込みです。
セクター別では、再生可能エネルギー(RE)および電力セクターが主な投資対象となり、2022年の4,090億ペソから141%増の9,871億ペソとなりました。フィリピン政府が2022年11月からこの分野での外国人による完全な所有権を認めたことで、REプロジェクトへの投資が急増しています。
以前はネガティブリストにより、外国人所有は40%に制限されていましたが、100%外国人所有企業でも、太陽光、風力、バイオマス、海洋または潮流エネルギーなどの探査、開発、運営することができるようになりました。
その他投資を呼び込んだセクターとしては、情報通信(9,604億ペソ)、マイニング・鉱業(7,919億ペソ)、製造業(2,205億ペソ)、インフラ(2,147億ペソ)でした。
外国企業への投資承認額は7,669億ペソで全体の61%を占め、フィリピン企業の投資は4,932億ペソで39%でした。以前は海外からの投資は20%程度に止まっていたので、規制緩により3倍に。フィリピンが外国の投資家にとって魅力的になってきていることが伺えます。
昨年は、ドイツが風力エネルギープロジェクトに大きな投資していたため、海外からの投資の最大の源となりました。その他は、オランダ(3,336億ペソ)、シンガポール(2,145億ペソ)、アメリカ(355億ペソ)、英領バージン諸島(213億ペソ)でした。BoIは、日本、韓国、アメリカ、中国からの投資が増えることを期待しているとしています。