円安で投資コスト増…それでも「フィリピン」に投資すべきか、やめるべきか?

1月8日週「最新・フィリピン」ニュース

円安で投資コスト増…それでも「フィリピン」に投資すべきか、やめるべきか?
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今回は、円が相対的に割安だといわれているなか、フィリピン投資を進めるべきか否かを考えていきます。

このまま円安が続くのか、それもと反転するのか?

昨年9月の円の実力が1970年を下回るレベルになっているという報道がありました。

 

国際決済銀行(BIS)によると、円の実質実効為替レートは過去最低の73.19(2020年=100)に低下。これはデフレの長期化と円安の進行が要因で、円が相対的に割安になっていることを示しています。

 

実質実効為替レートは、60ヵ国・地域における通貨の相対的な価値を、物価変動と貿易量などを考慮して算出する指標です。実質実効為替レートの低下には、海外との賃金格差が影響し、これが円安をもたらしているといわれています。また日本人が海外旅行や輸入品の購入時に支払う負担が増加していることになり、一方で訪日外国人にとっては日本が割安であることを意味しています。

 

実際の為替レートはどうなっているのか、2007年くらいからみてみると、ドル円においては、円安が2020年ごろから進んでいることがわかります。これはドル円だけの話かというと、そうではなく、たとえばユーロと円、そしてフィリピンの通貨であるペソと円においても同じように円安が進んでいます。世界でもドルが一人勝ち状態といわれていますが、世界的に円安傾向にあるというわけです。

 

そのようななか、フィリピンの不動産に投資するにしろ、フィリピン株に投資するにしても、2019年ごろから投資コストはあがっています。

 

この先も円安傾向が続くのか、それともどこかで反転するのか、正直いって分かりません。金利差が拡大すると短期的に円安になり、縮小すると短期的に円高になる傾向にあるといわれていますが、フィリピンの金利は米国のFRBの動きと連動しているので、それがペソ円に反映されているといえます。

 

ただ為替は金利だけに影響されるのではなく、中央銀行がどれだけお金を発行するかというマネーサプライであったり、貿易収支であったり、海外投資であったり。さまざまな要因で決まるので、このまま円安が続くのか、それとも反転するのか……はっきりと予想するのは難しいのです。

 

それでも、ざっくりというと、為替は経済のファンダメンタルズに連動し、経済が好調だと為替もあがりやすいもの。日本とフィリピンを比べた際、いまは日本のほうが圧倒的に経済規模も大きいですが、今後、フィリピンは世界でも高い経済成長を遂げると専門機関のレポーでもいわれているので、長期的にみれば、対ペソでは円安傾向になるのでは、と予想されます。

 

とはいえ、先ほどもいったとおり、為替の動きはさまざまな要因に影響されるので、予想は難しいものです。そこで次に注目したいのが「ペソ」と「ドル」。円ドルと、ドルペソの値動きをみていくと、価格変動が大きい円ドルに対して、ドルペソは価格変動が小さいの特徴。フィリピンペソは、円よりも価格変動が少ない安定した通貨という一面があるのです。

 

一般的に新興国通貨は乱高下し、投資で利益を得ても為替で相殺されてしまうことはよくあります。それに対しフィリピンペソは動きが小さいので、今後、フィリピンの安定的かつ高い経済成長に素直に乗っかることができるといえるでしょう。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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