「教育・住宅資金」「車の購入」「リフォーム資金」といった特定の目的の支出に備えるために新NISAを始める人も少なくありません。しかし、「支出までの期間が短くなってから、新NISAで準備を始めるのはリスクが大きい」と、証券アナリスト(CMA)資格も持つ日本経済新聞編集委員、田村正之氏はいいます。田村氏の著書『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』より、詳しく見ていきましょう。
準備期間5~15年の場合、NISAで備えるのは一部にとどめる
要するに結論は何なんだ…という声が、聞こえてきそうです。改めて整理しましょう。教育費など特定目的の支出に備える場合、世界株で備えるなら、過去のデータが示すのはおおむね15年以上あればNISAの活用は有効だということです。
逆に5年以内であれば、元本割れの危険が大きいので、NISAで増やすことはあきらめ、預貯金か個人向け国債で備えましょう。
準備期間が5~15年程度の場合はやや悩ましいのですが、こうした期間を元本確保型だけで積み立てるのはもったいないとも言えます。資金の一部であれば、世界株投資でNISAを活用することも検討していいでしょう。
しかし期間が5~15年ですから、より慎重な備えも必要です。生活費の半年~1年分程度の生活防衛資金とは別に、預貯金もできるだけ多く用意しておきましょう。もし元本割れしたときなどに、NISAの資産をなるべく換金せず、預貯金でまかなえるようにしておくためです。ひとくくりに5~15年といっても、準備期間が短いほどNISAの比率は抑え、預貯金や個人向け国債の比率を高めておくことが大切です。次に、債券も組み込んだバランス型投信での備えを少し考えることにします。
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日本経済新聞社
編集委員
証券アナリスト(CMA)資格も持つ日本経済新聞編集委員。ファイナンシャルプランナー(CFP、FP技能士1級)、社会保険労務士、日本年金学会幹事。近著に「人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略」「税金ゼロの資産運用革命」「はじめての確定拠出年金」など。共著に「日本会社原論Ⅴ」(岩波書店)。 講師歴に立正大学(非常勤、パーソナルファイナンス概論)、早稲田大学エクステンションセンター、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会でのFP向け研修講師、確定拠出年金教育・普及協会でのDCプランナー向け講師、企業年金向け研修講師など多数。 田村優之の筆名での小説で開高健賞受賞。経済小説「青い約束」(ポプラ文庫、原題「夏の光」で松本清張賞最終候補)は13万部。
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連載老後資金を形成するための新NISA&イデコ活用の「最適解」