新NISAを始めるにあたり、今あるお金を3つに分類し、投資に回すことのできる資金を明らかにしていくことが重要です。1,800万円の生涯投資枠への積み立ては「早く始めるほど、利回りが後半になって加速度的に高まる複利効果を得やすい」と、証券アナリスト(CMA)資格も持つ日本経済新聞編集委員、田村正之氏はいいます。田村氏の著書『間違いだらけの新NISA・イデコ活用術』より、詳しく見ていきましょう。
お金を目的別に分けて「投資に回せる金額」を把握
新NISAの世代別、目的別の活用術と、その活用術の結果、将来どれくらいの資産が見込めるかを考えていきます。
まずお金を3つに分類して、投資に回せるお金とそうでないお金を分けましょう。
ひとつは生活防衛資金。普段の生活に使うお金や、医療・介護費、あるいは万が一職を失うなど予想外の収入減に見舞われたときに備える資金です。失業給付など公的な支援制度もありますのであまり過度に備える必要はありませんが、仕事の安定度などを勘案して、生活費の半年~1年分程度は備えておいた方が安心です。この資金で大事なのは、いつでも使えるという流動性であり、いざ必要なときに減ってしまっていたら困るので、預貯金で備えるのが基本です。
次に、教育、住宅、車など特定の目的のために備える特定目的資金。これについてはどれくらいの準備(運用)期間が見込めるかで、備え方が変わってきます。
3つ目は老後資金または余裕資金。特に使う予定がなく長期で運用できる資金は、これまでもみたとおり、世界株などを中心とした株式主体の投信により全力で増やしていきましょう。
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日本経済新聞社
編集委員
証券アナリスト(CMA)資格も持つ日本経済新聞編集委員。ファイナンシャルプランナー(CFP、FP技能士1級)、社会保険労務士、日本年金学会幹事。近著に「人生100年時代の年金・イデコ・NISA戦略」「税金ゼロの資産運用革命」「はじめての確定拠出年金」など。共著に「日本会社原論Ⅴ」(岩波書店)。 講師歴に立正大学(非常勤、パーソナルファイナンス概論)、早稲田大学エクステンションセンター、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会でのFP向け研修講師、確定拠出年金教育・普及協会でのDCプランナー向け講師、企業年金向け研修講師など多数。 田村優之の筆名での小説で開高健賞受賞。経済小説「青い約束」(ポプラ文庫、原題「夏の光」で松本清張賞最終候補)は13万部。
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連載老後資金を形成するための新NISA&イデコ活用の「最適解」