(※写真はイメージです/PIXTA)

年金生活に入ると大きく収入が減ることから、資産の取り崩しが必要になるタイミングがくるかもしれません。しかし、そうした事態になる前に、家族間で資産の管理方法について話し合っておかなければ、あとあと憂き目に遇うことも……。本記事ではAさんの事例とともに、認知症がおよぼす資産管理へのリスクについて、FPオフィスツクル代表の内田英子氏が解説します。

認知症診断での資産凍結リスクを回避する3つの方法

認知症時の資産凍結を防ぐ備えとして、具体的には以下のような対策が考えられます。

 

1.お金まわりを見える化・整理整頓する

銀行預金を含む本人の資産の引き出しには、基本的に本人の意思確認が必要とされます。認知能力が低下する前に自宅などの不動産も含め資産の状況を見える化し、それぞれの名義を確認しておきましょう。

 

また、年金と一口に言っても、公的年金だけではなく企業年金や個人年金保険など、複数あります。年金の種類と受給期間、振込口座などの詳細についても確認しておきましょう。証券口座内に資産がある場合は、運用方針や希望する使いみちを確認しておきましょう。お金まわりの整理整頓はエンディングノートなどを活用すると便利です。

 

法務省が提供しているエンディングノート
 

2.代理人登録をする

証券会社や銀行、生命保険会社では「代理人登録」を受け付けているところもあります。具体的な対応は個別の確認が必要ですが、代理人登録をすることにより、本人に代わって一部の取引が可能になったり、保険金の請求などができる可能性があります。

 

代理人登録は一般的に、本人が認知症となってからではできません。代理人制度はあるのか、どのようなことができるのか、ご自身やご家族が持っている口座や保険商品ごとに確認しておきましょう。

 

3.情報を集め、頼れる人を探す

任意後見制度や成年後見制度、家族信託など、認知能力の低下に伴い活用できる制度もありますが、いずれも他者に資産の管理を託すものであり、それぞれに一長一短があります。

 

任意後見制度や家族信託であれば家族に託すことも可能となりますが、そうはいっても、実務の可否など、実際の課題は多くあります。専門家に託す場合も、得手不得手があるでしょう。頼れる人を一朝一夕で見つかることは困難なので、あらかじめ情報収集しておきましょう。

 

認知症は本人が認知症であることを認めず隠そうとすることもあり、周囲が気づくのが遅れる可能性もあります。金融機関によって対応は異なり、認知能力が低下する前であれば金融機関を変更したり資金を移すことなども可能ですが、低下してしまった後ではとれる選択肢は大きく減ってしまいます。

 

早くに対策を始めれば迷うことも、失敗もできます。一日も早く対策に着手しておきましょう。

 

 

 

内田 英子
FPオフィスツクル
代表

 

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