同期との退職金額の差、1,700万円
Aさんは現在59才。定年退職を控え、先日勤務先の担当者から定年退職前後の手続きなどについて説明を受けました。
説明の帰り、何気なく立ち寄った喫煙所で会ったのは同僚のBさんです。BさんはAさんの同い年で、同じ年度に中途入社し、同じくらいの時期に部長職についた同僚でした。どうやらBさんはAさんよりも一足先に説明を聞いてきたようでした。
2人の話題は自然と定年退職の話になりました。これまで1,200万円程度あった年収が780万円程度に減るということを嘆くAさんを横目で見ながら、Bさんはうれしそうに話します。
「まあ、減るのはしょうがないさ。それより退職金があるだろう。確定拠出年金確認してるか?」
放っておいた確定拠出年金を確認してみると…
確定拠出年金と聞いて、すぐにはわからなかったものの、Aさんは「そういえば退職金が別口座で積み立てられているのだっけ」と先ほど担当者から聞いた話の記憶をたどり、理解しました。
Bさんが話すには、確定拠出年金を株式で運用していたところ、平均利回りが約10%あり、最近は確定拠出年金の評価額が2,200万円近くにもなっているというのです。Bさんは、「60歳から収入は下がるが、この運用益で退職金は約3,000万円を超える。65歳で退職したあとは旅行三昧だ」と喜んでいます。
驚いたAさんは帰宅後、現在の評価額を確認しようと、長いあいだほったらかしにしていた加入者専用サイトのログインIDとパスワードを控えた書類を探し出しました。あわてて契約者専用サイトを開き、評価額を確認するとAさんの現在の評価額は約490万円。Bさんの評価額とは1,700万円程度の差があることが判明しました。
一時金で受け取るそのほかの退職金※とあわせてもトータルの退職金額の差は約1,500万円です。
※退職金制度は2つあるいは3つ組み合わせているのが一般的です。AさんとBさんの勤務先では、会社が積み立てる一時金形式のものと企業型確定拠出年金形式のものが組み合わされています。
「俺の退職金のほうが、1,500万円も少ないなんて!」とAさんは悲鳴をあげます。
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