現時点の借入金は「10年以内」に返せるか?
返済年数を割り出す際は「現預金」が加味される
次に見るのは借入金の返済年数です。現時点で借入しているお金を今の収益力で返済していった場合に何年かかるかを見るのです。主に次の2つの計算式があります(丸で囲んだ数字は[図表]の数字と対応)。
A.借入金⑥÷(当期利益⑨+減価償却費⑫)
※ 3期の平均値を使うこともある
B.(借入金⑥−現金預金①)÷(当期利益⑨+減価償却費⑫)
※ 実質借入金ともいう
AとBの違いは現預金を加味するか・しないかです。借入金が7,000万円で、当期利益+減価償却が600万円だった場合、Aで計算すると返済に11.2年かかります。
しかし、この会社が現預金を4,000万円もっていたとすると、その4,000万円を返済に充てることが可能です。そのためBでは借入金から現預金を引いた残高を用いて計算するのです。すると返済年数は5年となります。
返済年数20年以上は融資NGのことが多い
銀行ではBの計算式で検討することが多いです。返済年数が10年以内であれば格付の良い会社なので、5年ならますます良好なグループに入ります。最長で20年程度を目途に検討可能ですが、それ以上になると銀行は融資を見送ることが多いです。
川居 宗則
中小企業診断士
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
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