「節税好きな会社」は嫌われる!?…銀行が融資の可否を判断する自己資本比率の“最低ライン”【元メガバンク支店長が解説】

「節税好きな会社」は嫌われる!?…銀行が融資の可否を判断する自己資本比率の“最低ライン”【元メガバンク支店長が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

会社の成長に欠かせない「資金調達」のなかで、多くの経営者は「融資」を活用します。では、この融資の成功率を高めるには、どのようなポイントがあるのでしょうか。元メガバンクの支店長で、中小企業診断士の川居宗則氏が解説します。

現時点の借入金は「10年以内」に返せるか?

返済年数を割り出す際は「現預金」が加味される

次に見るのは借入金の返済年数です。現時点で借入しているお金を今の収益力で返済していった場合に何年かかるかを見るのです。主に次の2つの計算式があります(丸で囲んだ数字は[図表]の数字と対応)。

 

A.借入金⑥÷(当期利益⑨+減価償却費⑫)
※ 3期の平均値を使うこともある

B.(借入金⑥−現金預金①)÷(当期利益⑨+減価償却費⑫)
※ 実質借入金ともいう

 

AとBの違いは現預金を加味するか・しないかです。借入金が7,000万円で、当期利益+減価償却が600万円だった場合、Aで計算すると返済に11.2年かかります。

 

しかし、この会社が現預金を4,000万円もっていたとすると、その4,000万円を返済に充てることが可能です。そのためBでは借入金から現預金を引いた残高を用いて計算するのです。すると返済年数は5年となります。

 

返済年数20年以上は融資NGのことが多い

銀行ではBの計算式で検討することが多いです。返済年数が10年以内であれば格付の良い会社なので、5年ならますます良好なグループに入ります。最長で20年程度を目途に検討可能ですが、それ以上になると銀行は融資を見送ることが多いです。

 

 

川居 宗則

中小企業診断士

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

 

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※本連載は、川居宗則氏の著書『元メガバンク支店長だから知っている 銀行融資の引き出し方』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

元メガバンク支店長だから知っている銀行融資の引き出し方

川居 宗則

幻冬舎メディアコンサルティング

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