恐ろしい…年功序列制の企業では「45歳定年」が社員にとって最も損なワケ【同志社大学教授が解説】

恐ろしい…年功序列制の企業では「45歳定年」が社員にとって最も損なワケ【同志社大学教授が解説】
※画像はイメージです/PIXTA

時代にそぐわないともいわれる「年功序列制度」。廃止すべきか否か、度々議論を呼んでいます。本記事では、同志社大学政策学部・同大学院総合政策科学研究科教授の太田肇氏による著書『何もしないほうが得な日本 社会に広がる「消極的利己主義」の構造』(PHP研究所)から、日本の年功序列制度について解説します。

女性の活躍を阻む「二つの壁」

性別もまた、損得勘定に影響を与える要因である。

 

「2022年ウェブ調査」の「仕事で失敗のリスクを冒してまでチャレンジしないほうが得だと思いますか?」という質問に、「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」と回答した人は男性の61.2%に比べ、女性は69.9%と高い。

 

また「自ら転職や独立をしないほうが得だと思いますか?」という質問にも、「そう思う」「どちらかといえば、そう思う」の合計が男性は43.0%だったのに対し、女性は49.4%と高くなっている。

 

女性のほうが男性に比べ、仕事上の挑戦や転職・独立をしないほうが得だと思っている理由として、つぎの二つが考えられる。

 

一つは、男性と女性の仕事内容に差があり、挑戦して獲得できるかもしれない利得が女性は男性より小さいこと。あるいは制度・慣行その他のハンディにより、挑戦して成功する確率が低いこと。

 

もう一つは、挑戦すること、あるいは挑戦して失敗したときの負の利得(損失)が男性より大きいことである。いずれも実際にそうかどうかは別にして、そう考えられているのだろう。

 

要するに挑戦しても割に合わないと思う傾向が、女性にいっそう顕著だといえる。

 

 

太田 肇

同志社大学政策学部・同大学院総合政策科学研究科

教授

 

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PHP研究所

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