米国以外、特に日本や英国のような選好されていない市場に目を向ける
ウォーレン・バフェット氏が常々思い出させてくれるように、S&P500に賭けるのは難しいことです。
2010年末以降、S&Pは米ドルベースで340%の累積リターンを達成していますが、欧州株式は95%、新興国株式はわずか20%でした。中国株式は、この期間マイナスでした。
米国の企業部門は、総じて、他のどの部門よりも運営が優れており、革新的です。情報技術、コミュニケーション、ヘルスケアなどの高成長分野が株式指数に占める割合は、他の地域よりはるかに高くなっています。たとえば、情報技術セクターは現在、S&P500の28%を占めていますが、欧州ではわずか6%にとどまっています。
以上のことを踏まえると、S&Pは今後も他の市場に比べて割高な水準で推移し続ける可能性が高いでしょう。
しかしながら、現在、米国とその他の地域の株価水準のギャップが極端なレベルにあることは注目に値します。
実際、今年のグローバル株式のリターンの大部分を占めた超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」の時価総額は、英国、フランス、中国、日本の合計よりも大きくなっています。歴史的に見れば、このような二極化はしばしば長期にわたって続いても、必ずある時点でその差は縮まっています。
明確にしておきますが、当社は米国市場に否定的というわけではありません。マグニフィセント・セブンをはじめとする高成長銘柄を除けば、S&P500のリターンは長期平均をわずかに上回る程度です。事実、米国の中小型株式のバリュエーションは、多くの場合、魅力的です。
マグニフィセント・セブン(アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、メタ、エヌビディアおよびテスラ)は、以前ほどではありませんが、強力で収益性の高いビジネスモデルを持つ企業であることに変わりはありません。したがって、すぐに消えることはありません。
しかし、期待外れのリターンが何年も続いたいまだからこそ、日本や英国など、選好されてこなかった市場に目を向けるべきなのかもしれません。