※本記事は、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社の『マーケット情報』を転載したものです。

米国以外、特に日本や英国のような選好されていない市場に目を向ける

ウォーレン・バフェット氏が常々思い出させてくれるように、S&P500に賭けるのは難しいことです。

 

2010年末以降、S&Pは米ドルベースで340%の累積リターンを達成していますが、欧州株式は95%、新興国株式はわずか20%でした。中国株式は、この期間マイナスでした。

 

過去の運用実績は将来の運用実績を示すものではありません。 出所:Scroders, EIKON(2022年10月31日時点)610915
[図表1]米国以外の市場をもう1度考えるとき 過去の運用実績は将来の運用実績を示すものではありません。
出所:Scroders, EIKON(2022年10月31日時点)610915

 

米国の企業部門は、総じて、他のどの部門よりも運営が優れており、革新的です。情報技術、コミュニケーション、ヘルスケアなどの高成長分野が株式指数に占める割合は、他の地域よりはるかに高くなっています。たとえば、情報技術セクターは現在、S&P500の28%を占めていますが、欧州ではわずか6%にとどまっています。

 

以上のことを踏まえると、S&Pは今後も他の市場に比べて割高な水準で推移し続ける可能性が高いでしょう。

 

しかしながら、現在、米国とその他の地域の株価水準のギャップが極端なレベルにあることは注目に値します。

 

実際、今年のグローバル株式のリターンの大部分を占めた超大型7銘柄「マグニフィセント・セブン」の時価総額は、英国、フランス、中国、日本の合計よりも大きくなっています。歴史的に見れば、このような二極化はしばしば長期にわたって続いても、必ずある時点でその差は縮まっています。

 

過去の運用実績は将来の運用実績を示すものではありません。「マグニフィセント・セブン」とは、アップル、マイクロソフト、アルファベット(旧グーグル)、アマゾン、エヌビディア、テスラ、メタ(旧フェイスブック)から構成されます。 「マグニフィセント・セブンを除くその他株式」とは、MSCI ACWIの残りの構成銘柄によるポートフォリオです。2023年10月31日時点 出所:LSEG Datastream, Schroders。610915
[図表2]今年、マグニフィセント・セブンの株価は50%以上上昇したが、その他は横ばい 過去の運用実績は将来の運用実績を示すものではありません。「マグニフィセント・セブン」とは、アップル、マイクロソフト、アルファベット(旧グーグル)、アマゾン、エヌビディア、テスラ、メタ(旧フェイスブック)から構成されます。
「マグニフィセント・セブンを除くその他株式」とは、MSCI ACWIの残りの構成銘柄によるポートフォリオです。2023年10月31日時点
出所:LSEG Datastream, Schroders。610915

 

明確にしておきますが、当社は米国市場に否定的というわけではありません。マグニフィセント・セブンをはじめとする高成長銘柄を除けば、S&P500のリターンは長期平均をわずかに上回る程度です。事実、米国の中小型株式のバリュエーションは、多くの場合、魅力的です。

 

マグニフィセント・セブン(アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット、メタ、エヌビディアおよびテスラ)は、以前ほどではありませんが、強力で収益性の高いビジネスモデルを持つ企業であることに変わりはありません。したがって、すぐに消えることはありません。

 

しかし、期待外れのリターンが何年も続いたいまだからこそ、日本や英国など、選好されてこなかった市場に目を向けるべきなのかもしれません。

 

次ページ“米国以外”で特に日本株と英国株に着目するワケ

【ご留意事項】
・本資料は、情報提供を目的としてシュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が作成した資料であり、いかなる有価証券の売買の申込み、その他勧誘を意図するものではありません。
・本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
・予測値は将来の傾向を例示することを目的とするものであり、その実現を示唆あるいは保証するものではりません。実際には予測値と異なる結果になる場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
・本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
・本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
・本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、内容の正確性あるいは完全性については、これを保証するものではありません。
・本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。シュローダー/Schrodersとは、シュローダーplcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社 
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第90号
加入協会/一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録