“米国以外”で特に日本株と英国株に着目するワケ
日本株式市場は、経済が壊滅的な打撃を被った1992年のバブル崩壊以降、出遅れています。20年間インフレがなく、通貨が対米ドルで50%下落しましたが、現在の日本経済は高い競争力を持つようになりました。
さらに、上場企業の半数以上が2023年5月末時点で実際の資産価値よりも低い価格(つまり、PBR1倍未満)で取引されているという事実に、日本の当局は目を覚ましました。
2022年後半には、日本企業が自社株買いや増配を通じて株主に現金を還元することを「奨励」する指令が発せられました。企業部門からは、すでに驚くほど強い反応が出ており、今後も続くものと予想されます。
英国は、エネルギー、鉱業、生活必需品、金融などの伝統的な産業が比較的集中しているため、長いあいだ「古い」株式市場として認識されており、過去20年にわたり、世界の株価指数を下回ってきました。規制も、政府の無関心さも、Brexitも支援材料になりませんでした。
しかし、英国には多くの魅力があります。ガバナンスと会計の透明性は、全般的に最高水準です。また、英国株式を代表する株式指数であるFTSEの構成銘柄のほとんどは、成長市場への幅広いエクスポージャーを持つグローバル企業です。それ以外にも約1,800社の企業が上場し、その多くは過小評価され、十分に調査されていません。
そしてもっとも重要なことは、英国株式市場が、世界の他の地域や英国市場自身の過去水準の両方と比較して、非常に割安な価格で取引されているということです。FTSEオールシェア指数は、12ヵ月先予想PERがわずか10倍程度、配当利回りが4%を超える水準となっており、魅力的な水準です。(出所:Bloomberg、2023年10月時点)。