長期的かつ構造的なテーマを考える
これまでのところ、2023年のMSCIグローバル代替エネルギー指数は約40%下落しています(出所:Bloomberg、2023年10月時点)。投資家心理は、業績不振(場合によっては、バリュエーションが割安になっても状況が変わっていない)と、環境への取り組みに対する政治的反発の打撃を受けています。
しかし、筋金入りの気候変動懐疑論者でさえ、極端な気候の影響がますます顕著になっていることを否定するのは難しいでしょう。脱炭素化の流れは非常に強力です。
パンデミック後のコスト圧力や、再生可能エネルギー産業の一部における生産能力過剰の問題の多くが解決されたいま、投資家はエネルギー移行というテーマを検討する絶好のタイミングであるように思われます。
現在当社が直面している構造的課題の多くに対処するためには、テクノロジーが鍵であることは明らかです。
たとえば、太陽光発電と炭素回収はエネルギー移行のテーマの中心にあります。同様に、人口動態の課題も、医学的な発見、自動化(オートメーション)、人工知能(AI)によってほぼ解決されるでしょう。
AIは投資家の関心を引いていますが、もちろん過大評価されるリスクも大きいです。とはいえ、市場の上昇の背後にある論理には反論の余地がありません。
自動化は長年のトレンドであり、製造過程という狭い範囲からサービス部門全体に急速に拡大してきています。さらに、言語モデルに基づく生成AIは、その可能性を大きく広げています。
現在、世界には10億人以上のナレッジワーカーが存在します。理論的または分析的な知見を特定タスクに適用する人たちです。この仕事の一部を補強、強化し、そしておそらく置き換えることは、大きな変化をもたらし、テクノロジー分野だけでなく経済のほぼすべての部分において、投資家に大きな機会をもたらすでしょう。
PwCは、2030年までにAIの潜在的な経済価値は年間17兆ドルに達すると予測しています。現在の世界のGDPは約110兆ドルであることを考えると、これは途方もない金額であり、自動化分野における機会は計り知れないものとなるでしょう。