(※写真はイメージです/PIXTA)

亡くなった身内に借金があるなど、相続時にマイナス要因がある場合、「相続放棄」という選択肢をとることができます。しかし相続放棄を進める場合、注意しないと「取り返しのつかない事態」を招く危険性があると、司法書士法人永田町事務所の加陽麻里布氏はいいます。相続放棄のトラブルと予防策について、具体的な事例を交えてみていきましょう。

泥沼の相続トラブルを防ぐために…決断は慎重に

相続放棄をするうえで必要な手続き

なお、相続放棄をするうえで必要な手続きは、以下のとおりです。

 

・相続人・財産の調査

・相続放棄に必要な書類の準備

・家庭裁判所への書類提出

・家庭裁判所から届いた照会書の記入・返送

・家庭裁判所からの相続放棄申述受理通知書を受け取る

 

相続放棄の期間は、民法に下記のように定められています。

 

【第915条】

・相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。

 

・相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

 

相続放棄をする前には、必ず相続関係を調査し、自分が相続放棄をしたあとにその権利を承継する次の順位の相続人に、あらかじめ連絡をしなければなりません。その連絡を怠ってしまうと、今回の田中家のような泥沼の相続トラブルを招いてしまう可能性があります。

 

また、相続放棄をする際、手続きには下記のように費用がかかります。

 

・郵便切手……500円前後

・相続放棄申述書に使用する印紙代……800円(申述人1名につき)

・被相続人の住民票除票又は戸籍附票……300円程度

・被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本……750円程度

 

また、追加提出などによってはさらに費用がかかるほか、司法書士や弁護士などの専門家に依頼するとなるとさらにコストがかかります。相続放棄を検討する際には、これらの費用を誰が負担するかについてもしっかりと話し合ったうえで行わなければなりません。

 

まとめ…相続放棄は夫婦・親子間だけの問題ではない

このように、相続放棄をすると、その権利を承継する後順位の親戚にまで迷惑をかけることになります。

 

したがって、相続放棄は夫婦・親子間だけの問題ではないということを相続開始前から知っておくことがとても重要です

 

相続放棄に関しては、他にもさまざまな問題が生じてくる可能性があるので、安易に決断せずに専門家に相談し、しっかり調査したうえで判断することをおすすめします。

 

 

加陽 麻里布

司法書士法人永田町事務所

代表司法書士

 

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