繁栄を謳歌していたアメリカで株価大暴落…やがて「世界恐慌」へと発展する事態に陥ってしまった“不可避”な理由【世界史】

繁栄を謳歌していたアメリカで株価大暴落…やがて「世界恐慌」へと発展する事態に陥ってしまった“不可避”な理由【世界史】
(※写真はイメージです/PIXTA)

1929年にアメリカで起きた大恐慌は、ヨーロッパやアジアなどの諸外国に波及し、各国は不景気に陥ります。恐慌はなぜ世界中に広がったのか、そして、それぞれの国が対策として打ち立てた経済政策について見ていきましょう。『大人の教養 面白いほどわかる世界史』(KADOKAWA)の著者で、河合塾講師の平尾雅規氏が解説します。

イギリスも失業者が続出する羽目に…

続いてイギリス。大戦以降、低空飛行が続くイギリス経済に恐慌が追い打ちをかけ、200万人以上が路頭に迷いました。

 

当時の労働党マクドナルド内閣は税収が落ち込んだこともあって、失業保険を10%カットすることを発表。「労働者を守るのが使命である労働党が、失業者への手当をカット!?」という異常事態です。

※ これも均衡財政にこだわった結果といえる

 

マクドナルド内閣は総辞職、彼自身も労働党を除名される騒ぎとなりました。

 

そしてイギリスは、植民地などの従属地域に対し「イギリス製品だけ買って、他国の商品は買わないでほしい」とお願いし、排他的な経済圏を構築しました。これがブロック経済

※ イギリスはスターリング=ブロック(ポンド=ブロック)

 

出所:『大人の教養 面白いほどわかる世界史』(KADOKAWA)より抜粋
[図表3] 出所:『大人の教養 面白いほどわかる世界史』(KADOKAWA)より抜粋

 

具体的には、イギリス連邦内で流通する製品は低い「特恵関税」にして、連邦外から流入する外国製品には高関税を課しました(図表3)。

※ これによって外国製品は締め出される

 

アメリカも中南米などを組み込んだドル=ブロックを構築し、この際に従来の高圧的な棍棒外交を改めて善隣外交に転換して、フィリピンキューバには独立という見返りを与え協力を求めました。

 

またアメリカはこの時期にソ連を承認しましたが、通商を行いたいという下心も見え隠れしていますね。

 

英仏米といった「持てる国」が外国を排除する経済圏をつくったのに対し、困ったのは自前の経済圏に乏しかったドイツ・日本・イタリアの「持たざる国」でした。

 

これらの国は市場を得るため、対外侵略に活路を見出すことになります。そのドイツをリードしたのがナチ党党首アドルフ=ヒトラーでした。

 

 

平尾 雅規

河合塾

世界史科講師

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

注目のセミナー情報

​​【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』

 

【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!

 

​​【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画

※本連載は、平尾雅規氏による著書『大人の教養 面白いほどわかる世界史』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

大人の教養 面白いほどわかる世界史

大人の教養 面白いほどわかる世界史

平尾 雅規

KADOKAWA

「なぜ、戦争や紛争が絶えないのか?」「なぜ、国によって考え方・風習・生活が違うのか?」 ……答えは高校時代に習った世界史の授業のなかにあったはずなのに、大人になったいま、その答えがすっぽりと抜け落ちていません…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録