<前回記事>
「災害に備えて用意するものは?」⇒まずは〈水・ライト・ラジオ〉の3点。女性なら〈ポンチョ〉も【Xフォロワー27万人超・元陸上自衛官がアドバイス】
ブラック企業の見分け方
ブラック企業における面接の特徴をお伝えします。
「面接官がとても早口で説明をする」
「クセの強そうな部長が出てくる」
「残業時間は月30~40時間」
「これからビジネスを急拡大させる」
「最初の1年目は研修期間だから年収下げるよ」
「条件明示書をなかなかくれない」
「回答期限が短い」
私の経験上、これらがそろうときびしい会社です。
■「給料は安くても楽な仕事がいいな」はブラック企業への入口
若いときは、「給料は安くても楽な仕事がいいな」と思いがちですが、あまりにも給料が安い仕事は、「ほぼ間違いなく」辛い仕事なので気をつけてください。自分に裁量がなく、ジョークのひとつも言えない職場で働くことになります。
なので、給料はできる限り妥協せずに職を探してください。「年収200万円ぐらいでも楽に働けるほうがいいや」と思って就職すると、安月給とひどい人間関係で苦しみます。給与が高くなるにつれて、自由度の高い仕事とユーモアと思いやりの同僚に恵まれるのが世の常です。
「給与が安いほど楽な仕事」の方程式は、勤め人には当てはまらないので、学生さんなどは気をつけましょう。
■「この会社、ブラックっぽいぞ」はたいてい当たる。面接での違和感を見逃すな
給与が低く労務環境の悪い会社を「ブラック企業」と巷では呼びますが、ブラック企業が辛いのは、「組織の中で生まれた常識」がとても強く、「社会の常識」とかけ離れているケースが多いことが、要因のひとつとして挙げられます。
そういった組織で、「ここはおかしい」と言っても村八分にされるだけなので、何も言えなくなります。
代表的なのは、「私は残業を認めていない。あなたが勝手に残業しただけだ」といった言葉ですね。こういった言葉は労働基準法違反ではありますが、社内の雰囲気でなんとなく許されてしまうことがあります。
私の経験上、転職活動をしていて、「あっ、この会社ブラックっぽいぞ!」と感じたときは、たいていブラック企業なので警戒してください。
そもそもの話ですが転職面接で、「残業は月30~40時間ぐらい」と言われたら要注意です。
これは、「(仕事をすっかり覚えた入社5年目の社員が、仕事を最大にまで効率化し、昼飯を10分で済ませれば)残業は月30~40時間ぐらい」という意味です。
面接で少しでも違和感を感じたら、よ~く考えたほうがいいです。面接でのコミュニケーションの違和感は、後々響きますよ。
「こういう会社」は早く転職したほうがいい
労務環境が悪い会社にいて気がついたこと。
「あまりに業務が多すぎて社員がすぐにやめる」
「気分で仕事をする上司がいる」
「有給取得に苦労する」
「独身の人ばかり」
「残業管理が甘い」
「査定がきびしすぎるので給与が上がらない」
「昼休憩に罪悪感」
そういう会社は早く転職したほうがいいです…。
会社員というのは面白いもので、「仕事がつまらない」「オレはもうやめる…」という人ほど長続きします。そして、「仕事が面白い!」と語ったり、何も言わない人ほどあっさりやめます。
「会社をやめたい」とよく言う人は、一見ネガティブなように見えます。しかし、弱音を漏らすことによって心の平穏を保っているので、実はやめない人が多い気がします。
自衛隊でも、「やめたい」と言わない人ほど、心がポッキリ折れる印象がありました。
■「転職したらブラック企業だった」を防ぐためには、「いったん日常から離れる」こと
ただ、あんまり「会社をやめたい…」と思っていると、「やめたいパワー」に脳のリソースが奪われてしまうので気をつけてください。やめたいパワーはどこにも働かない力で、頭の中で空回りし続けます。
一方で、私は「会社をやめたい」という気持ちが強い人には、転職をあまり勧めません。
理由は、「やめたい気持ち」が先行すると、転職先がブラックな香りがしても、「いや、たぶん大丈夫…」といろんなサインを見落としてしまうからです。
そして、さらなる沼にハマります。地の底は深いので気をつけてください。
そうしたことを防ぐためにも、内定受諾の検討をするときなど重大な決断をするときは、「いったん日常から離れる」ことをオススメします。
ホテルや温泉宿に泊まり、何もせずにボンヤリして、おいしいものを食べてから考えます。やめたい気持ちをリセットさせましょう。
そうして、「ストレスフリーな状態」から導き出す結論が、おそらく最善策です。ブラック企業で疲弊しているのに、ベストな回答なんて導き出すことはできません。
場所を変えて、エネルギーMAX状態にすると、見えるものはありますよ。
ぱやぱやくん
防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。著書に『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』『陸上自衛隊ますらお日記』(どちらもKADOKAWA)、『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』『「もう歩けない」からが始まり』(どちらも育鵬社)などがある。
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