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社会で闘うためにも、人にやさしくするためにも、「飯は食え」
自衛隊時代に学んだ教訓に、「食べたくなくてもご飯を食べる」というのがあります。
プレッシャーなどでストレスがかかるとお腹が空かなくなり、「食事をしなくてもいいか」という気分になります。
しかし、空腹で血糖値が下がると思考力が落ち、攻撃的になるそうです。頭も働かないのでミスが増えます。そしてイライラするので仲間を責めるようになります。
つまり、社会で闘うためにも、人にやさしくするためにも、「飯は食え」が鉄則です。
そもそも、「自分が満たされていない人が、他人にやさしくするのは難しい」というのが世の常だと思います。
どんなに熱い気持ちがあろうが信念があろうが、栄養不足と寝不足は人をイラだたせます。他人にやさしくしたい人は無理をしないでください。まずは自分からです。
どうしても食欲がないときは、とにかく「好きなものを食べる」
どうしても食欲がないときは、とにかく「好きなものを食べる」ということを意識してください。
兵隊の間では手軽に食べることができるお菓子が人気です。米軍は戦場に「スニッカーズ」をよく持っていき、銃撃戦の合間にかじって栄養補給します。
一方、陸上自衛隊では「ようかん」が好まれます。ようかんのいいところはあまり溶けず、食べても音がしないことです。「ブラックサンダー」もおいしいですが、溶けるのと音が出るのが難点ですね。
演習中は筋肉回復に必要なタンパク質も不足しがちなので、私の同期は「酢漬けイカ」を常備していました。「タウリン、タンパク質、クエン酸を大量に含んでいて保存もしやすい」というポイントから、彼はベストだと思っていたようです。小さなカルパスなども「肉を食べていると思うと元気が出る」と人気です。ぜひ参考にしてください。
海外派遣の経験がある隊員の口グセは、「味噌汁はすごい」でした。彼いわく、「中東にいようがアフリカにいようが、味噌汁を飲むと日本に帰った気持ちになる」と語っていました。味噌汁とは海外にいても日本へ心をつなぐ、不思議な飲み物なのかもしれませんね。
このように好きなお菓子や食べ物には、気持ちを落ち着かせる効果もあります。
冬のメンタル不調は「日の当たる場所で肉を食う」で解消
冬になると日照時間が少ないために気持ちが落ち込む「ウィンターブルー」になる人が多いようです。私も冬に弱いので、「早く春にならないかな…」と松任谷由実の『春よ、来い』を聴いて願っています。
ウィンターブルーを解消するには、日光とタンパク質に含まれるトリプトファンが有効だそうです。つまり、「日の当たる場所で肉を食う」が気分を上げる秘訣ですね。
なお、体温を奪われると身体がサバイバルモードに切り替わるので、人にやさしくなれなくなります。冬場に嫌みを言いたくなったら、暖かい部屋でお茶を飲んでから考えましょう。
疲労や眠気に襲われたら「カフェイン飲料」で回復
お茶やコーヒーなどに含まれるカフェインには、眠気覚ましだけではなく、だるさを抑えたり、運動能力を向上させる効果もあります。
これは私の経験ですが、陸上自衛官の行軍時に本当に疲れたときにカフェイン剤を飲んだら、だいぶ楽になりました。災害時に徒歩で帰宅するときなど、疲労や眠気が襲ってきたらコーヒーを飲んだりすると効果的です。
ただし、カフェインの過剰摂取は吐き気を催したり、利尿作用で体温を下げたりするので疲労感が増すことがあります。あくまでも適量を意識してくださいね。
ぱやぱやくん
防衛大学校卒の元陸上自衛官。退職後は会社員を経て、現在はエッセイストとして活躍中。名前の由来は、自衛隊時代に教官からよく言われた「お前らはいつもぱやぱやして!」という叱咤激励に由来する。著書に『今日も小原台で叫んでいます 残されたジャングル、防衛大学校』『陸上自衛隊ますらお日記』(どちらもKADOKAWA)、『飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る』『「もう歩けない」からが始まり』(どちらも育鵬社)などがある。
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