金融商品を運用するときに注意すべき3つのポイント
実際、世の中には「株を転がして、老後を悠々自適に暮らしている」ような人はたくさんいます。また株主優待狙いで、自分が好きでよく食べるものをつくっている会社とか、よく買い物をしに行く商業施設、よく遊びに行くエンタメ会社などの株を買い、生活を楽しんでいる方もいます。
「どんな金融商品で、どう運用していくか」に関しては、専門の書籍がたくさん出ていますし、さまざまな講習会・勉強会が行なわれています。そういった場を活用して、独自に勉強するといいでしょう。
ここでは注意事項を3つほど、あげておきます。
(1)証券会社のいいなりにならない
証券マンの推奨する銘柄がどうこうというのではなく、証券会社の利益は売買手数料に支えられている部分が大きいからです。
証券マンにとって一番いい顧客は、実は「頻繁に売ったり、買ったりを繰り返してくれる人」なのです。だから証券マンは、たとえば、
「いまお持ちの銘柄は、ここで1回、損切りしたほうがよさそうですよ。で、売ったお金で、こちらの銘柄を買ってはどうでしょう。いまなら割安で買えますし、将来の値上がりが期待できます。もし余裕資金があれば、ほかにも有望株はあるんですが、新規にいかがですか?」
というふうに、「売り買い」をすすめてくるわけです。
もちろんアドバイスに従って、うまくいく場合もあります。ただ乗っかってばかりだと、手数料がかさんで、自分の資産が目減りするかもしれない。結果的に、「一番儲かったのは証券会社だった」となりかねないのです。
逆に、証券会社の人間の立場になって考えてみる――そういう姿勢が必要です。
(2)メディアの情報に惑わされない
典型例が週刊誌等でよく特集している「コロナ時代に儲かる株、100銘柄」みたいな記事です。この手の情報は疑わしい。
たしかに雑誌が出てすぐのころは、「そうか、そうか」と買う人が増え、株価が上がる場合はあります。とくにトップ10にランキングされた銘柄は、その傾向が顕著に出ます。雑誌は「ほらね、上がったでしょ」と得意満面ですよね。
でも値上がりは長続きしません。ドンと上がって、すぐにドンと下がる場合がほとんどなのです。
そんな情報に乗らずに、むしろ「反対」をやるほうがうまくいくのではないかと思います。株式投資の格言に「人の行く裏に道あり花の山」というのがあります。投資家は群集心理で動きがちですが、それでは大きな成功は得られません。むしろ他人の反対をやったほうが、うまくいく場合が多いと説いているのです。
世間の動きに乗るにしても、自分でちゃんと勉強して、自己判断したうえでなくてはいけません。
あるいは雑誌の影響で値上がりすることを見越して、記事が出た瞬間にその推奨銘柄をパッと買って、値上がりがはじまってすぐ、頂点を待たずにパッと売って利益を確定する、という方法もありです。これも「裏道」の一種といえるでしょう。
(3)短期で勝負しない
前に少し触れたように、デイトレードはサラリーマンをやりながらでは限界があります。とくにFXのような動きの速いもので、四六時中、取引をするようなものには手を出してはいけません。
ましてや大きなレバレッジをかけて取引するなど、もってのほか。そのうち熱くなって、借金までしてやるようになるのがオチです。
以上、3つのことをルールに、投資ライフを設計してみてください。「人生100年時代」に「それでも稼ぎ続ける」ためには、「賢く、無理せず、自己判断で」行う投資は必須スキルなのです。
池本 克之
株式会社パジャ・ポス
代表取締役
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