かくいう僕も、橋梁点検の仕事で起業している。一見、役所相手のすごい仕事にみえるかもしれない。
確かに、もともとはゼネコンや建設コンサルティング会社がやっていた仕事である。巨大プロジェクトの一部として、あるいは役所から大きな受注をするためのきっかけ、または「おまけ」として、儲からないにもかかわらず、仕方なくやっていた業務なのだ。それを専業にして、ゼネコンや建設コンサルティング会社から外注してもらえるようにしたのが、僕の会社のメイン事業である。
どうしてそんなことが可能になったのか、読み進めてもらえばわかる。今のところは、「地方に仕事がない、というのはウソ」「起業は特別な人でないとできない、というのもウソ」この2つを理解してほしい。
〈レッスン〉
地方に移住する、地方で仕事をするということについて、あなたはどんな先入観を持っているだろう。ポジティブなイメージ、ネガティブなイメージの両方があるだろう。
それがどの程度実態に即しているのか、少しでもいいから調べてほしい。経験者や関係者の話を聞くことができればベストだが、まずは検索してみるだけでも構わない。
地方のほうが「10年先を行っている」ことも往々にしてある
地方で起業するときには、ある裏技を使えるのが有利な点だ。簡単に言うと、タイムマシンで未来に行き、どんな商売が流行るか見てきて、それを自分でやることができる。
もうおわかりだと思うが、東京などの大都市で流行っている商売を、いち早く地方に移植するのである。飲食業界で、流行りもののメニューを売りにする例がわかりやすい。
たとえば東京と高知で、どのくらいの「時差」があるのかは一概にはいえない。業種によっても違うだろう。とりあえず、2023年初夏、高知では第何次かのタピオカミルクティー人気が起きている。僕の中学生の娘はチーズハットグをうれしそうに頰張っていた。
自分のやろうとしている業種で、流行りものにためらわず手を出せる、という人なら、 それだけで稼げる可能性は高い(もちろんブームが移り変わるたびに転業する必要があるが) 。
それではあまりに慌ただしいという人は、ちょっと違ったタイムマシンの使い方をしてもいい。ポイントはタイムマシンにとっては、大都市=未来、地方=過去とは限らないということ。場合によっては、地方のほうが10年先を行っていることなんて、日本にはいくらでもある。
わかりやすいのが人口減少であり、高齢化だ。商店街の衰退もそうだろう。空き家の廃屋化もそう。耕作放棄地もそうだ。
じつは、高知市中心部の繁華街も、2000年代初め、ご多分に漏れず大型ショッピングモールの出店によって大打撃を受けている。ただ、高知の人たちはそこで諦めなかった。以前はファッションが主力だった繁華街に飲食店を中心とした新しいテナントを呼び込むことで、ある程度、人の流れを取り戻すことに成功したのだ。
商店街の衰退は、大都市部でもこれから深刻になっていくだろう。地方ですでに「商店街の復活」を手がけたことがある人なら大都市という「過去」に、未来人の知恵と技術を貸すことができる。地方ならではの問題を解決する起業をしたら、10年後には大都市でその道の権威としてお声がかかる。そんな「タイムマシン」だってあり得るのだ。
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