(※写真はイメージです/PIXTA)

いつの時代もなくならない相続トラブル。親族と死後のことを話すのは気まずい…。といった声は多いものですが、生前対策を怠ってとんでもないトラブルに巻き込まれる事例が相次いでいます。そこで本記事では相続対策の「基本のキ」を紹介していきます。

配偶者の死後、義家族からとんでもない連絡が…

遺産分割をめぐる争いについて、耳にしたことのある方、または実際に体験したことのある方は少なくないでしょう。特に子どものいない夫婦の場合、配偶者が亡くなると信じられない事態に陥ることも……。

 

なぜ子どものいない夫婦に揉め事が起こるのか? 「法定相続人の順位」からみていきましょう。

 

まず、死亡した人の配偶者は常に相続人となります。ただし婚姻届を出していることが条件で、内縁関係の人は相続人に含まれません。

 

配偶者以外の人は、次の順序で配偶者とともに相続人になります。

 

***

 

■法定相続人の順位

 

第1順位 〈死亡した人の子供〉

 

子供が既に死亡しているときは、その子供の直系卑属(子供や孫など)が相続人となります。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供の方が優先されます。

 

前妻・夫との間の子、認知された子、養子縁組された子も含まれるため、戸籍謄本の確認が必要です。

 

第2順位 〈死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)〉

 

父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母の方を優先します。第2順位の人は、第1順位の人がいないとき相続人になります。

 

第3順位 〈死亡した人の兄弟姉妹〉

 

兄弟姉妹が既に死亡しているときは、その人の子供が相続人となります。第3順位の人は、第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になります。

 

父母違いの兄弟姉妹も遺産相続人となります。

 

***

 

同じ順位の人が複数いれば全員が相続人となり、先順位の人がひとりでもいれば後順位の人は相続人にはなりません。

 

つまり、亡くなった方に配偶者と子が2人いる場合は、その3人だけが相続権を持ち、親・兄弟・孫といった親族は相続人にはならないのです。

 

配偶者がいて子がいない場合には、相続争いに発展しやすいといえます。

 

子どももおらず、両親もすでに亡くなっているAさん夫婦。夫Aさんが亡くなり、妻が全ての遺産を相続しようと思っていたところ、長い間一切関わりのなかったAさんの兄から突然「遺産を分けてほしい」と連絡が来て……。そんな例が後を絶ちません。

 

不義理な連絡をしてきた義兄には遺産を渡したくないところでしょう。しかし法定相続人のうち第1・第2位がいなければ、第3位である義兄には相続権を主張する権利があります。義家族の言動・行動が不義理なものだったとしても、「血族」であることには変わりありません。

 

たとえ夫婦間の関係性が良好でも、「義家族とはどうにも……」という方も少なくないでしょう。疎遠だった親戚と〈遺産をめぐってのドロ沼争い〉は何とも避けたいものです。

 

このようなトラブルを防ぐには、生前からの相続対策が何よりも重要です。もっともスタンダードといえるのは遺言書の作成でしょう。

 

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