58歳女性、コツコツ貯めた資産を失うまでの顛末
「私、ロマンス詐欺のことは知ってたんです。知っていたのに……」。靖子さん(58歳・仮名)はそう話します。
彼女がその男性と出会ったのは、あるマッチングアプリを通じてでした。老後を前に、「人生を共にするパートナーを、最後にもう一度探してみよう」……そんな気持ちから勇気を出して登録したといいます。
相手の男性は3歳年下、真面目で優しそうな雰囲気の写真と丁寧に書き込まれたプロフィールが印象的でした。
メッセージはマメに届き、次第にやりとりが頻繁になっていきました。友人ともそれほど多く連絡をとることはない靖子さんにとっては、楽しい時間でした。海外を拠点にしており、多忙な男性と直接会うことがなかったにも関わらず、靖子さんは「この人は信じられる」と感じ、心を開いていったのです。
そして、ついには男性から、あなたと将来を共にするためにお金が必要だと告げられました。さらに、信頼できる投資話がある、これからの未来のために、少しお金を出してほしいと言い、靖子さんを説得したといいます。
「彼とやり取りしている間、本当にふわふわと夢の中にいたような……こうやって振り返ると、なぜ信じてしまったのか」
靖子さんは、将来を語り合い、何度もメッセージのやり取りを重ねたその先に700万円という大金を渡す決断をしてしまったのです。
靖子さんの現在の年収は340万円ほど。そのお金は、靖子さんが30年以上の会社員人生で、高いとは言えない給料から老後のためにとコツコツ貯めた全資産1,800万円の一部でした。
贅沢も無駄遣いもほとんどせずに1円、10円を大切に貯めてきたのです。その大切なお金の一部が、あっという間に詐欺師に吸い取られてしまいました。
どうして靖子さんは騙されてしまったのか。その理由はひとつではありません。真面目に生きてきたからこそ、「こんなことがあるはずがない」と考え、疑うことを知らなかったのかもしれません。何よりも「結婚して老後を共に過ごせる相手を見つけたい」という深層心理が、彼女の判断を鈍らせたのかもしれません。
運命の出会いを信じ、幸せを夢見る気持ちが、最終的に靖子さんを詐欺師に引き寄せてしまったのです。
「持っているお金全部を渡さなかったことは救いですが、だからといって簡単に諦められる金額でもありません。人を信じるのが怖くなって、体調も崩しがちになって。休日は家に閉じこもっています。何より自分自身に腹がたって、情けなくて……。部屋で泣き叫んでしまうこともあります」
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