新NISAのポイントは、「成長投資枠」を使うこと
もし、日本の個人投資家がこのとおり、「タイプA」から「タイプE」の5つに分かれるとすれば、それぞれに納得できる考えがあるように筆者は感じます。とくに、「タイプB」から「タイプE」までの4タイプの方の「悩みは深い」でしょう。
こういうと、「タイプA」の人たちから、「なにも考えずに積み立てをするのが一番」と言われるかもしれません。しかし、多くの人は、頭では「資産運用は重要」「資産運用を始めないと」と思っていても、なかなか行動に移せないものです。
そこで、「タイプB」から「タイプE」までの4タイプの方向けに「私ならこうする」ということ、すなわち、ソリューションの一案の概要を示します。
ポイントは、成長投資枠を活用して、積み立て投資を行うこと。
A.株式市場全体は「長期右肩上がり」だと考える人
⇒株式ファンドでつみたて(つみたて投資枠、 成長投資枠)
B.(株価は 「長期右肩上がり」だと思うが)しばらく株価は下がると考える人
⇒株式ファンド/株式のアクティブ・ファンドでつみたて(つみたて投資枠、 成長投資
C.株式市場全体では上がりにくく、生き残る企業や産業の選別が進むと考える人 (株式市場全体では上がりにくいが、なかには成長する企業や産業はあるだろうと考える人
⇒株式のアクティブ・ファンドでつみたて(成長投資枠)
D.どの企業の株価も、もはや上がらない ・ 横ばいだと思う人 or 下落が怖い人
⇒利息狙いの債券ファンドでつみたて(おもに成長投資枠)
E.「株高よりインフレでは?」。 政府債務・労働力不足・温暖化対策・米中村立・ウイルスなど
⇒商品や不動産・リートなどの実物資産でつみたて(おもに成長投資枠)
大事なポイントは2つです。
1.『成長投資枠』*を活用する。
*補足すると、新NISAには『つみたて投資枠』と『成長投資枠』の2つの枠があります。とくに「タイプB」の一部や「タイプC」の方向けのアクティブ・ファンド、『タイプD』の方向けの債券ファンド、『タイプE』の方向けの実物資産に投資をするファンドは、おもに『成長投資枠』のなかに含まれます。
2.(『成長投資枠』でも)「積み立て投資」を行う。
もっと先走っていえば、「この5つすべてに備えた分散投資を行えば、おそらく今後、どのような局面が来ても対応できる」ように思えます。
タイプAからタイプEまでのすべてに20%ずつ分散投資を行う、それが「筆者の答え」です。
重見 吉徳
フィデリティ・インスティテュート
首席研究員/マクロストラテジスト
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