株価の下落で資産を減らしたくない…リスクを恐れる人には「積み立て投資」がおすすめな理由【マクロストラテジストが解説】

株価の下落で資産を減らしたくない…リスクを恐れる人には「積み立て投資」がおすすめな理由【マクロストラテジストが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

預金だけでは資産形成が難しく、投資の重要性がますます高まっています。ただ、「価格下落によって資産を減らすことが怖い」という理由から、投資を躊躇してしまう人も少なくありません。そのようななか、フィデリティ・インスティテュート主席研究員でマクロストラテジストの重見吉徳氏は、価格変動のリスクを恐れる人には「積み立て投資」がおすすめといいます。その理由を詳しくみていきましょう。

来年1月から始まる「新NISA」…資産運用はどうすればいい?

今回は「新NISAでの資産運用」について考えます。多くの個人投資家のみなさまは、新NISAの枠のなかで資産運用を完結できるはずです。

 

具体的には、

 

1.資本主義社会は、企業が利益を生み出すようにつくられている

2.消費者で終わるのではなく、株主になって企業に渡した利益を取り戻す

3.企業にとって家賃や利息の支払いは義務であり、家賃の支払い(≒リートの配当金)や銀行への利払い(≒社債の利息)は、株式配当などの利益処分に優先する

 

の3点を確認します。

企業の存在は、「利益」の存在証明

まず、[図表1]をご覧ください。この図は「今日食べたチョコレートの代金と企業活動・投資家との関係」をみたものです。

 

[図表4]今日食べたチョコレートの代金と企業活動・投資家との関係
[図表1]今日食べたチョコレートの代金と企業活動・投資家との関係

 

【一番上の茶色の板チョコの絵】のあたりをご覧ください。たとえば、我々は今日、コンビニで100円のチョコレートを買ったとしましょう。それは、企業にとっての売り上げです。

 

そのまま【下段の青】のところを【左】からいくと、企業は、受け取った売上代金の100円から、材料費を支払い、給料を支払い、家賃を支払い、銀行に利息を支払ったうえで、利益を計上します。

 

言い換えれば、我々が支払った100円には数十円の利益が含まれています。企業はこれをひたすら繰り返します。

 

企業はボランティアではないため、利益が出ないと解散されます。なかには、赤字で倒産する企業もありますが、たとえば日本では今日も300万を超える企業が存在しているという事実こそが、「社会全体でみれば、企業は利益を生み出している」ことの証明です。すなわち、「企業の存在=利益の存在」です。

 

リスクを取らず従業員になる人が存在し、リスクを取る企業に利益を渡すことで企業や株主は儲かります。リスク=利益であり、リスクと利益こそが資本主義社会の中心です。

 

「単にチョコレートの消費者で終わる」のではなく、「チョコレートをつくる企業の株主になれば、コンビニ経由で企業にいったん手渡した利益を取り戻すことができます」。

 

株主になって、手渡した利益を取り戻しましょう。

 

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