5つのタイプの投資家…「相性のよい投資先」の傾向とは?
以下、ひとつずつ補足を加えます。
まず、【一番上】の「タイプA」は「株式市場は長期右肩上がりだと考える方」です。このタイプは、資産運用についてほとんどなんの疑問も懸念もないでしょうから、そのまま継続できるでしょう。
サポートが必要になるのは、「タイプB」以降の個人投資家です。
その【上から2番目】の「タイプB」は「(株価は「長期右肩上がり」だと思うが)しばらく株価は下がると考える人」です。
日ごろ、新聞やテレビ、あるいは自社や取引先からの情報収集に積極的で、それらをもとに景気循環について考えられて、「せっかく新NISAも始まるので自分も資産運用を始めたいが、今じゃないんじゃないか」と思う人です。
次の【真ん中、3つ目】の「タイプC」は「株式市場全体では上がりにくく、生き残る企業や産業の選別が進むと考える人」、言い換えれば「株式市場全体では上がりにくいが、なかには成長する企業や産業はあるだろうと考える人」です。
現在でいえば、情報技術セクターや『GAFAM』、人工知能(AI)などが該当するかもしれません。かつても、資源や金融、ヘルスケアなど、時代によって成長が著しかったり注目されたりする産業や企業は異なりました。
そして、【上から4つ目】の「タイプD」は、D-①「どの企業の株価も、もはや上がらない・横ばいだと思う人」あるいは、D-②「(とにかく)下落が怖い人」です。
D-①の「どの企業の株価も、もはや上がらない・横ばいと思う人」は、株式の配当利回りよりも、(ドル建てなど海外の)国債や社債の利回りのほうが高いわけですから、それらに分散投資をすることが一案です。
D-②の「下落が怖い人」も国債や社債に分散投資することができます。
損失は「熱狂のときに買って、悲観や平時のときに売る」ことで生じます。積み立て投資をすれば、熱狂・悲観にかかわらず、いつも買うわけですから、(金融市場がファンダメンタルズに平均回帰するかぎり)ファンダメンタルズに近い水準で買うことができます。結果的に、熱狂や悲観を購入価格から排除することができるのです。
最後、5つ目の「タイプE」は「株高よりもインフレが気になる人」です。
このなかには、「インフレの分だけ資産が増えればよい」という人もいるでしょうし、「株式のことはわからない・興味がないものの、とにかくインフレの予感がする」という人もいるでしょう。