窓口で銀行員に告げられた「衝撃のひと言」
1人で介護を続けることに限界を感じた貴文さんは、いよいよ介護施設の利用を検討し始めました。施設に入居するには、一時金や利用料などのお金が必要です。
貴文さんはまとまった退職金をもらっていましたが、自身の老後もそれで賄っていかなければならないことから、これらは親の資産から捻出することにしました。
父に通帳と印鑑の場所を尋ねたところ、「そんなものは知らない!」「お金なんかない!」と話になりません。仕方なく、家中を大捜索するはめに。
その後、貴文さんはなんとか通帳と印鑑を見つけ出して銀行へ向かい、窓口で通帳と印鑑を預けました。「これで大丈夫だろう……」ほっとしたのも束の間、銀行員が次のように言いました。
「あれっ、この印鑑…違いますね。失礼ですが、ご本人様でしょうか?」
貴文さんが「いえ、これは父親の口座でして……。認知症になってしまい費用が必要なので、代わりに下ろしに来ました」と、正直に答えたところ、銀行員は「少々お待ちください」と言って席を立ち、奥のほうに引っ込んでしまいました。
しばらく待たされ、銀行員に告げられたのは「口座を凍結しなければなりません」という旨。貴文さんは予想だにしなかった事実に愕然としてしまいます。どうやら認知症の事実を知った場合、銀行は口座を凍結することがあるそうです。
「そんなこと、全然知らなかった……」口座が凍結されてしまったことから、すべての費用を一時的に貴文さん1人で賄わなければならなくなってしまいました。
帰宅後、心配になった貴文さんは、今後父親にかかるとみられる費用を算出してみましたが、その膨大な額に途方に暮れるしかありませんでした。
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