なってからでは遅い…認知症による「資産凍結」リスク
認知症になってしまった場合、「財産管理(不動産や預貯金などの管理、遺産分割協議などの相続手続き)」や「身上保護(介護・福祉サービスの利用契約、施設入所・入院の契約締結)」などの法律行為を1人で行うことが難しくなります。
もしも金融機関に「判断能力が著しく低下している」と判断されてしまった場合、事実上口座を凍結されてしまうことがあります。
口座が凍結されてしまうと、老人ホームの入居費用や医療費のみならず、日用品など普段の生活に欠かせない生活費までも引き出せなくなってしまいます。すると、一時的に本人を介護する子どもたちなどの親族がこれらの費用を負担しなければなりません。
このような事態を防ぐためには、どのような対策をしておけばいいのでしょうか。事例を交えてみていきましょう。
定年退職後、実家に帰ると…84歳の父に現れていた「変化」
地方から上京後、都内で働いていた貴文さん(仮名)。このたび60歳で定年退職し、時間ができたことから数年ぶりに実家へ帰京することにしました。
いざ帰ってみると、1人暮らしをしている84歳の父はうれしそうに出迎えてくれます。しかし、しばらくなにげない会話を続けるうち、貴文さんはあることに気づきました。
言葉を投げかけても、父親の反応が鈍いのです。また、その返答もちぐはぐで、どうも会話が成り立っていません。
「もしかして、認知症かも?」心配になって病院へ連れて行くと、貴文さんの予想どおり父は認知症の初期段階であることが判明。
「いつかはなるかもしれないとは思っていたが、そうか……」貴文さんは肩を落としましたが、長男だった貴文さんは「親の面倒を見るのは自分の務めだ」と思い直し、実家に住まいを移して父親の介護をすることになりました。
当初、トイレや食事など身の回りのことは自身で行っていた父親でしたが、だんだんとできることが減っていきます。しだいに貴文さんの負担は増えていき、体力的にも精神的にも追い詰められていきました。
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