(※写真はイメージです/PIXTA)

シービーアールイー株式会社(CBRE)の「ジャパンリテールマーケットビュー 2023年第3四半期」によると、東京、京都、大阪、神戸でハイストリート賃料が前期に比べて上昇しました。とくに心斎橋と神戸ではコロナ禍直前の水準を上回るなど、とくに関西圏の賃料回復が顕著だといいます。本稿では、エリア別のハイストリート賃料の動向についてみていきます。

名古屋‐需給バランスがタイトな状態が続くも、賃料は3期連続の横ばい

栄の今期(Q3)のハイストリート空室率は4四半期連続の0.0%となった。同エリアでは依然として募集物件が極めて少ない状態が続いており、そのため総じて成約事例も少ない。しかしそのような中でも、今期は外資系スポーツブランドが出店を決める事例がみられた。また、アパレルが申込を入れる物件もあった。

 

出店ニーズのある業態は幅広く、ドラッグストア、ゴルフメーカー、時計ブランド、アウトドア、飲食、アクセサリーなど。リユースの出店ニーズも相変わらず多い。また、コスメブランドが退店する物件で別のコスメブランドが検討しているほか、ラグジュアリーブランドが新規開発物件で出店を予定するなどの事例もみられている。

 

今期のハイストリート賃料は71,000円/坪と、3期連続の横ばいとなった。引き合いが多く、募集物件が少ないという需給タイトな状況ではあるものの、売上やコストの想定に厳格なテナントが多いため、相場水準が引き上げられるような勢いは今のところ見られていない。

 

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[図表12]栄ハイストリート空室率&ハイストリート賃料(円/坪)出所:CBRE、Q3 2023

福岡‐幅広い業態からニーズがみられるも、賃料上昇は一服

天神

天神の今期(Q3)のハイストリート空室率は対前期比横ばいの2.5%。今期は複数の海外アイウェアブランド、モバイルショップ、カプセルトイショップ、カフェなどが出店を決める事例がみられた。出店ニーズとしては、コスメ、買取・リユース、国内外のアパレルブランド、時計ブランドなどからみられている。他にも、ファッションブランドが商業施設/百貨店から路面店舗への移転を検討する事例がみられた。

 

天神のハイストリート賃料は今年に入ってQ1、Q2と2四半期連続で上昇してコロナ下のボトムから既に19.4%上昇したが、今期は一服、55,500円/坪で前期から横ばいとなった。

 

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[図表13]天神ハイストリート空室率&ハイストリート賃料(円/坪)出所:CBRE、Q3 2023

 

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[図表14]空室率* Q3 2022より、空室率の調査対象フロアを「店舗ニーズの高い1階に限定」から「1階を含む賃貸区画のすべて」に変更しています。
出所:CBRE、Q3 2023

 

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[図表15]ハイストリート賃料(円/坪)出所:CBRE、Q3 2023

 

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[図表16]エリア通行者量の変化率(Q3 2023) 出所:技研商事インターナショナル「KDDI Location Analyzer」* CBRE、Q3 2023
*auスマートフォンユーザーのうち個別同意を得たユーザーを対象に個人を特定できない処理を行って集計
*KDDILocation Analyzerデータ精度向上の影響で過去の集計データから数字が増減していることがあります

 

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[図表17]プライム賃料(円/坪)出所:CBRE、Q3 2023

 

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[図表18]* Q3 2022より、空室率の調査対象フロアを「店舗ニーズの高い1階に限定」から「1階を含む賃貸区画のすべて」に変更しています。

 

関連記事:BZ空間ジャパンリテールマーケットビュー 2023年第3四半期

 

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※本記事はシービーアールイー株式会社(CBRE)のジャパンレポート「ジャパンリテールマーケットビュー 2023年第3四半期」より一部抜粋・再編集したものです。
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