(※画像はイメージです/PIXTA)

老後の生活資金は公的年金だけでは足りないといわれ、老後資金を効率よく準備する方法として「NISA」や「iDeCo」がクローズアップされています。いずれも税制優遇を受けられるのが魅力ですが、他に税制優遇の対象となっているものとして「個人年金保険」があります。「保険」というよりも貯蓄の役割が強い金融商品であり、「NISA」「iDeCo」にはないメリットもあります。本記事で解説します。。

個人年金保険のしくみ

個人年金保険は、生命保険の一種です。しかし、保険というよりも貯蓄の満期を「55歳まで」「60歳まで」「65歳まで」等に設定し、それまで掛金(保険料)を毎月払い込みます。そして、満期になったらそれ「年金」を受け取れます。

 

年金の受け取り方は「確定年金」と「終身年金」の2種類があります。

 

確定年金は、年金の受取期間が「10年」などと決まっていて、その間、本人が亡くなったとしても相続人が受け取ることができます。

 

これに対し、「終身年金」は、亡くなるまで一生受け取れるタイプです。その代わり、本人が亡くなったら相続人は基本的に年金を受け取れません(ただし、「最低保証期間」があり、その期間内であれば相続人が年金を受け取ることができます)。

 

このうち、多くの人から選ばれているのは「確定年金」です。「終身年金」は保険料が割高に設定されているうえ、途中で亡くなった場合に損をする可能性があるので、選ぶ人は少なくなっています。

「生命保険料控除」の対象

個人年金の保険料は、一部が「生命保険料控除」のうち「個人年金保険料控除」または「一般生命保険料控除」(変額個人年金保険の場合)の対象となります。

 

所得控除を受けられる額は、所得税と住民税についてそれぞれ以下の通りです。

 

【所得税の所得控除額】

・年間保険料2万円以下:全額

・年間保険料2万円超~4万円:保険料×1/2+1万円

・年間保険料4万円超~8万円:保険料×1/4+2万円

・8万円超:4万円

 

【住民税の所得控除額】

・年間保険料1.2万円以下:全額

・年間保険料1.2万円超~3.2万円:保険料×1/2+0.6万円

・年間保険料3.2万円超~5.6万円:保険料×1/4+1.4万円

・5.6万円超:2.8万円

 

だいたい、毎月の保険料の額を7,000円程度に設定すると、所得控除の枠をフルに使えるということです。

NISA・iDeCoにない個人年金保険特有のメリット

個人年金保険は、「iDeCo」「NISA」で投資信託等を運用するよりも積立効率が低くなる可能性があります。あくまでも「保険」なので、保険会社によって運営コストが差し引かれるからです。

 

また、「iDeCo」と比べると、税制優遇のメリットは見劣りします。「iDeCo」の掛金は全額が所得控除の対象であるのに対し、個人年金保険で所得控除の対象となるのは保険料の一部に限られるからです。

 

しかし、個人年金保険には、iDeCoやNISAにはないメリットがあります。それは、働けなくなったら保険会社が保険料を肩代わりしてくれるということです。

 

すなわち、個人年金保険の商品のほとんどは、所定の「就業不能状態」や「障害状態」になった場合に、保険料の払い込みを免除してもらえます。つまり、保険会社が保険料を肩代わりして払い続けてくれるということです。

 

また、死亡した場合には、基本的に、払い込んだ保険料の額よりも多い金額の「死亡保険金」が遺族に支払われます。

 

iDeCo、NISAにはこれらの機能はありません。

 

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