(※画像はイメージです/PIXTA)

老後の生活資金は公的年金だけでは足りないといわれ、老後資金を効率よく準備する方法として「NISA」や「iDeCo」がクローズアップされています。いずれも税制優遇を受けられるのが魅力ですが、他に税制優遇の対象となっているものとして「個人年金保険」があります。「保険」というよりも貯蓄の役割が強い金融商品であり、「NISA」「iDeCo」にはないメリットもあります。本記事で解説します。。

個人年金保険の商品の種類

最後に、個人年金保険の商品の種類について説明します。代表的なものは以下の3つです。

 

・円建ての個人年金保険

・米ドル建て個人年金保険

・変額個人年金保険

 

円建ての個人年金保険については、ここまでお伝えしてきたこと以外に特筆することはありません。したがって、「米ドル建て個人年金保険」と「変額個人年金保険」について説明します。なお、これらは現在、個人年金保険で最も人気のある商品となっています。

 

◆米ドル建て個人年金保険

「米ドル建て」の個人年金保険は、金利の高いアメリカ国債で運用されているため、利率が高くなっています。

 

ただし、為替相場の変動の影響を受けるので、為替相場が「円高ドル安」方向へ動くと、円換算の金額が目減りし、元本割れしてしまう可能性があります。いわゆる「為替リスク」です。

 

ただし、このリスクは、長期間、毎月一定額を支払い続けることで、回避できる可能性が高いものです。

 

たとえば、「米ドル建て個人年金保険」に月1万円で加入した場合、「1ドル150円」の時は1万円が約66.7ドルになり、「1ドル110円」の時は約90.1ドルになります。

 

これを長期間続ければ、結果的に、その間の平均値で購入したことと同じ効果が得られます。つまり、為替相場の騰落のリスクが分散され、最終的にお金が増えていたということになる可能性が高いのです。「ドルコスト平均法」とよばれるものです。

 

個人年金保険の場合、毎月一定額を払い込み続けるしくみになっているので、自然にドルコスト平均法によるリスク回避ができることになります。

 

◆変額個人年金保険

次に、「変額個人年金保険」です。これは株式や債券等の投資信託(特別勘定)のなかから、好きなものを選んで保険会社に運用してもらう商品です。

 

特別勘定は複数用意されており、1つだけ選ぶことも、複数を組み合わせることも可能です。

 

近年人気があるのが、「世界株式」や「アメリカ株式」の特別勘定です。これらは、短期的には騰落を繰り返しながら、世界経済やアメリカ経済の成長にしたがって着実に上昇していく可能性が高いということで、選ばれるようになってきています。

 

なかには、NISAやiDeCoの運用商品として人気が高い「S&P500」や「NASDAQ100」といった投資信託を上回る運用実績を出している商品もあります。保険会社が過去の特別勘定の運用実績をHPで公開しているので、確認することができます。

 

変額個人年金保険は、株式相場や債券相場の変動の影響を受けるというリスクがあります。しかし、米ドル建て個人年金保険と同じように、毎月、一定額の保険料を支払い続ける「ドルコスト平均法」によって、騰落のリスクを抑えることができます。株式相場が下落した局面では同じ金額でたくさんの口数を購入できるので、あとで上昇に転じたときに大きく増えることになります。逆に、上昇局面では、少ない口数しか買えないので「高値掴み」で損する可能性を低く抑えることができます。

 

ここまで述べてきたように、個人年金保険にはiDeCoやNISAにみられない特有のメリットがあります。特に、働けなくなった場合でも保険会社が保険料を肩代わりしてくれる点と、米ドル建て個人年金保険や変額個人年金保険の資産運用効果の両方のメリットを得られることに魅力感じるのであれば、検討する価値がある商品であるといえます。

 

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