「OJT」で指導員に放置される新人続出…中小企業が「人材育成」で失敗する根本原因【経営コンサルが解説】

「OJT」で指導員に放置される新人続出…中小企業が「人材育成」で失敗する根本原因【経営コンサルが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「社員に仕事を教えるのが苦手」「人を育てるのが苦手」といった悩みを持つ中小企業の経営者は少なくありません。中小企業が人材育成でつまずいてしまうのには、どのような原因があるのでしょうか。本記事では、人材育成に失敗する理由とともに育成のポイントについて、仕組み経営株式会社の取締役・清水直樹氏が解説します。

人を育てる仕組みを作る

では最後に、実際に人を育てる仕組みを作っていきましょう。

 

ステップ1.各役職に求められる能力を明確にしよう

筆者はビジネスは終わり(目的地)から始める、という原則を推奨しています。この原則を人を育てる際にも活用しましょう。つまりどんな人を育てたいのか? を明確にするのです。

 

ここでのお勧めは、スキルマップを作ることです。スキルマップは、その業務を遂行するのに必要な能力をまとめた表です。スキルマップがあることで、この職務に就く人にはこういうことを教えればいいんだな、ということが見えてきます。逆にスキルマップがなければ、なにを教えればいいんだっけ?ということになりますので、ぜひ作ってみてください。

 

ステップ2.カリキュラムを設計しよう

次にカリキュラムを設計しましょう。ここでは学校をイメージするといいと思います。学校では1年目にこれ、2年目にこれ、というように教える内容が決まってますね。それと同じように最初の半年ではこれ、次の半年でこれ、という感じで設計していきます。

 

ここでは、先ほどのスキルマップが教える内容の指針になりますが、もうひとつ重要な内容があります。

 

それは自社の理念や価値観、歴史、文化等、あなたの会社で働く人全員が知っておくべき、共有しておくべき内容です。上述のスキルマップには出てきませんが、あなたの会社で働くうえでは非常に大切な項目です。

 

これらの項目もカリキュラムの中にいれて、全員が漏れなく理解、共有できるようにしていきましょう。

 

ステップ3.学習方式とリソースを設計する

次に学習方式とリソースです。学習方式とは、OJTなのか、座学なのか、自習なのか、なにか課題を出すのか?といったような学び方のことです。リソースとは、教えるために必要なテキストや動画等です。リソースについては後述します。

 

いま、学習方式にはさまざまなやり方がありますね。私たちの場合には、知識を学ぶことに関してはEラーニングで自習できるようにして、チームワークや何か実践を伴う場合にのみ集合型でワークショップなどをやるようにしています。

 

理想なのは、なるべく社員の人が自習できるようにすることです。そして、教える側の上司や先輩の人は自習した結果についてフィードバックを与えるメンター役やコーチ役になることです。

 

 

清水 直樹

仕組み経営株式会社

代表取締役

 

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