日本では“ガラケー全盛期”だったが…2007年に「iPhone」を発売したアップルの恐るべき戦略【知財活用のプロが解説】

日本では“ガラケー全盛期”だったが…2007年に「iPhone」を発売したアップルの恐るべき戦略【知財活用のプロが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

世界的大企業として君臨するアップル社。その強さを保つ理由のひとつに、恐るべき未来予測力があると、『「見えない資産」が利益を生む GAFAMも実践する世界基準の知財ミックス』著者の鈴木健二郎氏はいいます。日本では“ガラケー全盛期”だった2007年に「iPhone」を発売したアップルの戦略とは? 詳しくみていきましょう。

“サブスク市場”で勝てなかった日本企業の敗因

しかし、その前提がない企業は、あとから参入しても厳しい戦いを強いられてしまうでしょう。残念ながら、そういった分野で市場を席巻できている日本企業はほとんどありません。

 

ポイントは、未来を見据えて事業をつくりつつ、そこにデザインをはじめとする知財をミックスで組み込みながら、会社のビジョンや世界観を積極的にファンに伝えてきたかどうかにあるのです。

 

もちろん、音楽というジャンル自体は日本でも人気ですし、音楽のファンはたくさんいます。そこに音楽プレイヤーなどデバイスの市場があることは昔も今も変わりません。

 

ただ、音楽の楽しみ方の未来を見据えて、これからは「体験そのものを売る時代になる」「サブスクリプションが主流になる」という発想で戦略的に行動できず、モノに拘ってしまったところに敗因があるのです。

 

「うちはCDをつくる会社だから」「うちはプレイヤーを売る会社だから」「スピーカーの技術の会社だから」などと、自らの本業を既存のシーズで狭く定義してしまい、企業経営を続けていくのであれば、時代の変化に取り残されてしまうのも無理はないでしょう。

 

今では、通信能力の飛躍的な進化を背景に、音楽はストリーミングやダウンロードが主流となり、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末などでも楽しむことができます。

 

時代が変わり社会も変わり、人々の行動が大きく変わる中で、何が選ばれるのかも変化しています。そこに乗り遅れてしまうと、企業の成長は実現できません。

 

知財という観点からも、ストリーミングで音楽を聴く時代に「CDの音をさらに良くするために、光ディスクから音の信号をピックアップするための新しい技術を特許として取得しよう」といった技術ベースでフォアキャスティングの発想をするのではなく、未来の価値を見据えて、市場を制するための知財活用を実践する必要があります。そこに、競争力向上へのヒントがあります。

 

 

鈴木健二郎

株式会社テックコンシリエ代表取締役

知財ビジネスプロデューサー

 

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※本連載は、鈴木健二郎氏の著書『「見えない資産」が利益を生む GAFAMも実践する世界基準の知財ミックス』(ポプラ社)より一部を抜粋・再編集したものです。

「見えない資産」が利益を生む GAFAMも実践する世界基準の知財ミックス

「見えない資産」が利益を生む GAFAMも実践する世界基準の知財ミックス

鈴木 健二郎

ポプラ社

アップルが、銀行やホテルを始めるのはなぜか? 会社のイノベーションの材料は、社内に埋もれている! 「知的財産」を最大活用する新規事業のつくり方。 三菱総研、デロイトトーマツコンサルティングを経て、特許庁・経…

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