【大企業社員の心の叫び】上司ガチャに外れ、無意味な仕事に疲弊…やりがい求め中小企業&自営業へ転身も、待ち受ける「さらなる地獄」

【大企業社員の心の叫び】上司ガチャに外れ、無意味な仕事に疲弊…やりがい求め中小企業&自営業へ転身も、待ち受ける「さらなる地獄」
(画像はイメージです/PIXTA)

これからの日本で生きていくには「働ける限り働く」ことが求められます。生活のためとはいえ、やはりそこには「やりがい」がほしいもの。しかし、仕事選びによってやりがいはもちろん、賃金や自由度にも大きな差があります。大企業勤務の従業員だからといって、満足度が高いとはいえません。FP資格も持つ公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

大企業に入社したが…やりがいのない毎日にウンザリ

生徒:私はメガバンクに就職して20年超。そろそろ50歳です。いまさらですが、本当に大企業は働きづらくてたまりません。いっそのこと転職してしまいたい…。先生、なぜ大企業はこれほどまでに窮屈なのでしょう?

 

先生:転職を考えるほど思い詰めているのですね…。しかし、大企業で働くことは、デメリットもありますが、メリットもあります。働きづらいとはいえ、大企業ならではのメリットも多いのではありませんか? 給与水準が高く、福利厚生も充実しています。社会的信用が高いですから、住宅ローンも借りやすいでしょう。会社が安定していれば失業するリスクも少なく、仕事より家庭を優先する方には最適な環境でしょう。

 

生徒:ですが私は、もっと〈やりがいのある仕事〉に挑戦してみたいのです…。

 

先生:たしかに〈やりがいがない〉というのは、デメリットのひとつですね。おそらくその原因は、リーダーである経営者がなにを考えているのかわからないからでしょう。

 

生徒:確かに…。

 

先生:大企業というのは、大きな会社です。大きな会社にはたくさんの人が働いているので、社長をはじめとする経営者と、末端のサラリーマン社員との距離が、どうしても遠くなります。また、その間にたくさんの中間管理職がはさまっていて、お互いの顔がわからなくなり、タテマエだけがひたすらに増え、リーダーである経営者が、本音のところでなにを考えているのか、ちっとも見えなくなってきます。

 

生徒:確かに!

 

先生:会社のためにがんばって働いて成果を出しても、社長がそれを認めてくれることはありません。だからやりがいも感じられないのでしょうね。

大企業の従業員は「ただの歯車」!? 無駄な仕事も多いし…

生徒:そうなんです! 私が会社に対してどれだけ貢献できているのか実感できませんし、会社からなにを求められているのか、全然ピンときません。だから、やりがいが感じられないのです。

 

先生:個人の存在感が小さいですからね。社長はサラリーマン社員一人ひとりの顔など見たことありませんし、その存在を気にかけるヒマはありません。結局、サラリーマン社員は「コマ」「パーツ」「歯車」として、それなりに機能することを求められるだけです。その結果、配属はいわゆる「配属ガチャ」状態となるわけですね。昇給や昇格も運の要素が大きく、上司との相性が悪いと地獄という環境になります。

 

生徒:そうなんです。どんなに活躍することができても、結局は「使い捨ての兵隊」に過ぎないんですね。

 

先生:成果にたいして報いられにくいことも問題でしょう。大企業の給与体系は業績に連動するものではなく、安定的なものです。頑張って成果を上げても、なかなか報われません。逆に、あまり頑張らず成果が出なくてもさほど困らないでしょう。結果として、当事者意識が薄れてしまい、「働かないおじさん」問題が起きるわけですね。

 

生徒:そうなのです。仕事をやってもやらなくても、あまり変わらないので…。なかなか本気になれません。

 

先生:あと、「ダメなビジネスがダメなまま生き残る」という問題もあります。大企業は組織の規模が大きいので、方向転換に時間がかかります。また、同じ仕事を続けるほうがラクなので、変化が大嫌いだという人も大勢います。それでも大企業は体力があるので、ダメなビジネスをダメなままに残しておくわけです。

 

生徒:結果として、AI活用やデジタル化が進む時代に、合わないビジネスを続けるわけですね…。

 

先生:現場では「ムダな会議」、申請書にハンコを集める「スタンプラリー」、必要性が不明な「謎ルール」、そして「働かないおじさん」といった、ダメなものやダメな仕事が、ダメなまま生き残りやすくなります。

中小企業は経営者がすべて…転職先をしくじるとまさに「地獄」

生徒:ダメとわかっていながら変えられないと、やる気まで失ってしまいます…。私はやる気を出して働ける環境を求め、中小企業への転職を検討しています。中小企業はどうなのでしょうか?

 

先生:中小企業がいいかというと、そうでもないですね。なぜなら中小企業は「当たり外れ」が大きいからです。中小企業の環境は「社長がどんな人か」によって、かなり差がつきます。従業員のことを尊重する社長なら、とても働きやすい職場になります。しかし、従業員のことを考えないワンマンな社長なら、パワハラ、ブラック労働地獄みたいな職場になってしまいます。

 

生徒:中小企業に転職しようとしても、社長の資質を見極められないと危ないということですね。それでは、フリーランスとして働くのはどうでしょうか? 私は中小企業診断士の資格を取ったので、独立開業できるかもしれません。

 

先生:フリーランス、自営業者として働くのなら、経営者は自分自身になりますから、まさに自分の本音で働くことができます。自分のやりたい仕事を選ぶこともできます。成果はまるごと自分のモノです。ダメだと思ったビジネスはいますぐ止めたって構いません。上司から命令されて、無駄な会議に参加する必要はありません。

 

生徒:憧れますね…!

 

先生:しかし、フリーランスにはフリーランスの問題があります。仕事を選べる立場になれば、自由に楽しく仕事ができ、働きやすさも最大になりますが、仕事がなくなってしまえば、とてもやりがいなんていっている場合ではありません。報酬をギリギリまで下げても働かなくてはいけない、もっとひどいと、本当に食べていけない、といった極めて深刻な事態も考えられます。

 

生徒:大企業も中小企業もフリーランスも、どれも本当に厳しいですね…。

 

先生:大企業で仕事のやりがいを感じられないのは、業種・上司・社長の問題というより、仕組み上致し方ないといえそうです。経営者の本音が見えない、成果が報いられにくい、ダメなモノがダメなまま生き残るといった問題がありますが、これらは組織の規模が大きいと、やむを得ないものでもあるのです。しかし、中小企業やフリーランスにもそれぞれ働きにくいポイントがあります。

 

生徒:ありがとうございます。もっとよく考えます…。

 

 

岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

 

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