開示請求する際の注意点
5ちゃんねるでの誹謗中傷に対して開示請求をする際には、次の点に注意しましょう。
無理に自分で対応しない
開示請求をして開示が認められるためには、法令や裁判手続きに関する理解と経験が不可欠です。少し調べれば簡単に望む結果が得られる性質のものではありません。そのため、無理に自分で対応することは避けたほうがよいでしょう。
無理に自分で対応しようとした結果対応が遅れてしまうと、ログの保存期間が過ぎてしまい開示が困難となるおそれがあります。
開示請求は時間との勝負
開示請求は、時間との勝負であるといっても過言ではありません。なぜなら、先ほど解説したように、プロバイダごとに異なるログの保存期間が過ぎてしまうと、もはや開示請求が困難となるためです。
また、裁判手続きには周到な準備も必要であり、コンテンツプロバイダ(5ちゃんねる)への開示請求を申し立ててから接続プロバイダに対しログの保存を申し立てるまでにもタイムラグが生じます。ログの保存期間が切れるギリギリになってから対応を始めても、間に合わない可能性が高いでしょう。
そのため、誹謗中傷の被害に遭ったら、その日や翌日などできるだけ早く弁護士事務所へコンタクトを取ることをおすすめします。
削除請求は慎重に
書き込まれた内容によっては、その書き込みがこれ以上人目に触れないよう、書き込みを消してほしいと望むこともあるでしょう。その場合には、投稿の削除請求が選択肢の1つとなります。
削除請求とは、5ちゃんねるに対して誹謗中傷投稿を消すよう請求することです。削除請求は5ちゃんねる所定のメールアドレスに必要事項を記載して行うほか、裁判上で請求する方法もあります。
ただし、開示請求を予定している場合、焦って削除請求をすることはおすすめできません。なぜなら、削除請求をして投稿の削除が認められると誹謗中傷の証拠が消えてしまい、開示請求が困難となるおそれがあるためです。
そのため、削除請求を希望するのであれば、そのタイミングについて弁護士へよく相談のうえ行うことをおすすめします。
5ちゃんねるでの誹謗中傷でも開示請求はできる
5ちゃんねるは、しばしば誹謗中傷の舞台となってしまいます。5ちゃんねるでの誹謗中傷は匿名で行われることがほとんどで、被害に遭っても対応を諦めることもあるでしょう。
しかし、諦める必要はありません。開示請求を行うことで、相手の特定ができる可能性があるためです。特に、誹謗中傷の内容が悪質であり、投稿されてからすぐに対応すれば、開示が認められる可能性が高いでしょう。開示請求によって相手の身元が特定できれば、損害賠償請求や刑事告訴をすることが可能となります。
ただし、これらの対応を自分で行うことは容易ではありません。無理に自分で行おうとして対応が遅れてしまい、開示が困難となってしまっては本末転倒です。そのため、誹謗中傷の被害に遭ったらできるだけ早期に弁護士へご相談ください。
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