(※写真はイメージです/PIXTA)

5ちゃんねるなどの匿名で投稿ができるインターネット掲示板は、誹謗中傷の巣窟になりがちです。このような「匿名」でなされた誹謗中傷に対して、発信者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行うにはどうすればいいのでしょうか? Authense法律事務所の弁護士が詳しく解説します。

5ちゃんねるでの投稿に開示請求をする流れ

5ちゃんねるで誹謗中傷の被害に遭った場合、開示請求はどのような流れで進めればよいのでしょうか? 基本的な流れは次のとおりです。

 

ただし、状況によって対象や流れが異なる場合もありますので、まずは早期に弁護士へご相談ください。

 

誹謗中傷などの証拠を保存する

5ちゃんねるで誹謗中傷の被害に遭ったら、すぐにその投稿の証拠を残しましょう。投稿の証拠は、スクリーンショットで残すことが一般的です。

 

スクリーンショットは、次の事項が漏れなく掲載されるように撮影します。スマートフォンからではURLなどの表示が不完全となることが多いため、パソコンから撮影するなど工夫するとよいでしょう。

 

・誹謗中傷の投稿
・誹謗中傷の投稿と「>>」で続く一連の投稿
・投稿日時
・投稿の固有URL
・誹謗中傷が投稿されたスレッド名とスレッドのURL

 

なお、投稿の固有URLは、該当するスレッドのURLの末尾にスラッシュと投稿番号(レス番号)を追加することで取得できます。

 

(例…50番の投稿であれば、スレッドのURLの末尾に「/50」を追加)

 

弁護士へ相談する

投稿の証拠を残したら、できるだけ早期に弁護士へご相談ください。対応が遅れると開示請求が困難となるおそれがあるためです。できれば、誹謗中傷の投稿を見つけた当日や翌日には弁護士にコンタクトがとれるとベストです。

 

発信者情報開示請求をする

基本的な流れは次のとおりです。

 

1.5ちゃんねるに対して開示命令を申し立てる

初めに、5ちゃんねるに対して開示請求を行います。5ちゃんねるに対して直接裁判外で請求することも理論上はできますが、基本的には対応されないでしょう。そのため、裁判上で開示請求を行う必要があります。

 

2.IPアドレスやタイムスタンプが判明する

開示請求が認められると、5ちゃんねるから投稿のIPアドレスやタイムスタンプなどの情報が開示されます。

 

なお、5ちゃんねるは投稿者の住所や氏名までは把握していないため、投稿者を把握するためには次のステップに進むことが必要です。

 

3.接続プロバイダに対して開示命令とログ消去禁止命令を申し立てる

開示されたIPアドレスなどから相手が接続に使用したプロバイダを特定し、その接続プロバイダに対して情報の開示命令とログ消去禁止命令を申し立てます。

 

なお、開示命令と合わせてログ消去禁止命令を申し立てるのは、投稿から接続プロバイダの判明までに相当の期間を要することが多く、手続きが進行する中で接続プロバイダでのログ保存期間が過ぎる懸念があるためです。

 

4.プロバイダから契約者に対して意見聴取がなされる

開示命令を申し立てると、プロバイダから契約者に対して意見聴取がなされます。これにより、開示請求がなされていることを契約者が知ることとなるでしょう。一般的には、意見聴取には、2週間程度の回答期限が設けられます。

 

5.投稿者の住所や氏名などが判明する

プロバイダの主張や意見聴取の結果を踏まえ、開示が相当であると裁判所が判断すると、契約者の住所や氏名などの情報が開示されます。

 

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