(※写真はイメージです/PIXTA)

「住宅ローンなんていつでも借りられる」と考えてはいないでしょうか。人生最大の借金となる住宅ローンの返済期間は35年。最近では40年から50年と長期にわたるものも登場しています。人生の約半分の期間を費やして返済するのが住宅ローンなのです。この莫大な借金をしようとすると、金融機関は融資していい人物なのかをあらゆる情報を使って精査します。これを「審査」と呼びますが、多くの人が考えている以上に厳しい基準で判断しています。住宅ローンの審査を通過できるのは決して当たり前のことではなく、タイミングを逃せば一生借りられないという最悪の事態も起こりえます。そこで長岡FP事務所代表の長岡理知氏が事例をもとに、金融機関における住宅ローンの審査基準について解説していきます。

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    配偶者が金融ブラックの場合、住宅ローンの審査に影響するか?

    原則としては、妻(夫)が金融ブラック(債務整理などの金融事故がある人)の場合でも、夫(妻)の住宅ローンの審査には影響しません。

     

    影響するのは、配偶者が連帯債務者や連帯保証人、あるいはペアローンの場合のみです。これらの申し込み時には、本人の同意のもとで金融機関が信用情報機関に登録された情報を閲覧します。もし連帯債務者、連帯保証人、ペアローンに該当しない場合、同然ながら配偶者の信用情報を閲覧することはしません(できません)。本人の同意が得られないからです。

     

    と、ここまではあくまでも教科書的な知識です。金融機関内部での実務はより複雑になっています。住宅ローンの審査は信用情報機関の内容だけで判断されるのではなく、「申込書・個人信用情報・行内情報」の内容を精査しています。

     

    行内情報とは金融機関が独自に管理している個人信用情報です。信用情報機関に登録された情報を見るためには本人の同意が必要ですが、金融機関が独自に取得し管理している行内情報については、審査担当者が閲覧するために本人の同意は必要ありません。かつて取引を始めた時に、個人情報の取得と利用目的に同意して書類に署名しているからです。

     

    上記の事例のように、配偶者が金融事故を起こした金融機関で住宅ローンの申し込みを行った場合、配偶者の事故履歴を確認される可能性があります。自社での事故履歴が発覚すれば審査にマイナスの影響が出るかもしれません(一方で金融事故を起こしていない金融機関では事故情報は登録されていません。したがって配偶者の自己履歴は知りようがないため審査に悪影響はありません)。

     

    金融機関は審査の精度を上げるために、信用スコアリングシステムや破綻率に影響を及ぼす変数の発見などについて日々研究しています。それぞれの金融機関で審査に独自の手法とノウハウがあるため、金融機関では審査基準を公開しないのです。

     

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