(※写真はイメージです/PIXTA)

「住宅ローンなんていつでも借りられる」と考えてはいないでしょうか。人生最大の借金となる住宅ローンの返済期間は35年。最近では40年から50年と長期にわたるものも登場しています。人生の約半分の期間を費やして返済するのが住宅ローンなのです。この莫大な借金をしようとすると、金融機関は融資していい人物なのかをあらゆる情報を使って精査します。これを「審査」と呼びますが、多くの人が考えている以上に厳しい基準で判断しています。住宅ローンの審査を通過できるのは決して当たり前のことではなく、タイミングを逃せば一生借りられないという最悪の事態も起こりえます。そこで長岡FP事務所代表の長岡理知氏が事例をもとに、金融機関における住宅ローンの審査基準について解説していきます。

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    「Aさん、申し上げにくいのですが……」

     

    結論から言うと、住宅ローンの審査は「NG」でした。お断りという意味です。

     

    「えっなぜ? 理由の説明はあったのですか」とAさんは聞きますが、銀行は否認理由を本人にも教えないルールであると説明しました。

     

    自動車も持っていないし、クレジットカードも遅れずに支払っている。スマートフォンは一括購入している。消費者金融も出入りしたことはない。なのになぜ……と訝しく思ったAさんは、自分で別の銀行にも審査を出してみました。しかし結果はNG。

     

    ショックを受けていると、住宅営業マンからまた電話がありました。

     

    「あくまでも可能性としてですが……先日に仮審査をした二つの金融機関で、奧様か誰かご家族が事故を起こしたことはないでしょうか?」

     

    Aさんはそれで思い出しました。10年前に妻のSさんがトラブルを起こしていた頃、銀行や消費者金融からお金を借りて返済できなくなり、弁護士を通じて債務整理をしたことがあったのです。その時の債務者に二つの銀行の名前があったかもしれませんが、金融機関がたくさんあったので覚えていません。

     

    「しかし、妻の信用情報は僕には関係ないのではないですか?」とAさんは言います。

     

    「確かに申込者はAさんだけですから、奥様の信用情報を銀行が見ることはできません。しかし債務整理をした履歴は銀行内に永久に残るため、銀行内で確認しているのかもしれません」

     

    その言葉を裏付けるように、妻が借りたことがなかったと思われる金融機関に仮審査を申し込んだところ、無事承認されました。しかし金利や保証料の条件が悪く、融資額も大きく減額。建物の規模を縮小するしかありませんでした。

     

    先のふたつの銀行で審査に落ちた理由は正確には分かりませんが、知人の銀行員やファイナンシャルプランナーに訊いてみると、やはり妻の履歴が残っているせいではないかという意見でした。そして、49歳という年齢もマイナスの影響になっているということも。あと16年しか収入がなく役職定年もあるので、総合的に判断されているのではないかということです。

     

    やはり結婚した当初に購入すべきだったのかと、残念な気持ちになっています。

     

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