2024年に新しいNISAが開始します。一体どのように活用すればいいのでしょうか?ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏は著書『新NISAとiDeCoで金を増やす方法』(フォレスト出版)の中で、そのポイントを説明。本書から一部抜粋して紹介していきます。

◆新しいNISA活用のポイント

今回の大きな改正は、現状の枠組みのいいところは活かしつつシンプルにしたり、枠組みを大きく拡大したり、同時に短期売買には一定の制約を課すなど、合理的で賢い見直しとなっています。

 

新しいNISA制度の活用方法は、iDeCoの投資、資産管理の基本を押さえてから検討しますが、ここでは新しいNISA活用のポイントをいくつかまとめておきたいと思います。

◆少額の積立投資(年40万円程度)をしているケース

この場合、基本的に変化はありません。

 

むしろ非課税投資期限を気にすることなくいくらでも積立投資を継続することができます。仮につみたてNISAと同水準の積立をしていった場合でも、21年以上資産形成を続けていくことができます。

 

年40万円程度の積立の場合、30年続けて1200万円の元本ですから、1800万円の上限に達しません。現役時代ずっと続けても大丈夫です。これに年4%相当の運用収益が上乗せされれば、2300万円に達します。元本比では50%以上の増加となっており、老後不安はほとんどないでしょう。

 

積立を継続している途中に、年収増などに伴い積立を増額する余裕も残っています。

 

こちらも年40万円の枠を超えて最大で毎月10万円の積立がつみたて投資枠内でできますから、ほとんど上限を気にする必要はありません。

◆年間120万円の枠組みを意識し、個別株の投資を行い、数年程度で利益確定していた場合

一般NISAを使って、5年内に利益確定するイメージで投資をしていた人もいるでしょう。この場合も今回の改正は役立ちます。

 

成長投資枠の上限1200万円をにらみつつ、年240万円の成長投資枠を活用しながら売買を繰り返していくようなスタイルで、NISA口座を使うことになります。

 

5年の期限は意識する必要がなく、利益確定したいタイミングを狙うことができます。利益確定した枠は復活しますので、何度でも非課税投資ができます。

 

とはいっても、総拠出枠の回復は1年単位なので、あまりにひんぱんな売買には向いていません。デイトレード、スイングトレードのようなスタイルよりは3~4年くらいのスパンでの中期投資に向いているでしょう。

 

一方で、つみたて投資枠を使わないと1800万円の上限を活用することはできません。できれば積立投資の設定も検討したいところです。

次ページ資産家が最短で非課税枠を埋めたい場合

※本連載は、山崎俊輔氏による著書『新NISAとiDecoで金を増やす方法』(フォレスト出版)より一部を抜粋・再編集したものです。

新NISAとiDeCoで金を増やす方法

新NISAとiDeCoで金を増やす方法

山崎 俊輔

フォレスト出版

2024年から変わる新制度に完全対応! 2024年1月から、NISA制度が大幅に拡充されます。 「どこがどう変わったの?」 「なにから始めればいいの?」 「で、結局なにをすればいいの?」 こんな疑問にスッキリお答えし…

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