サステナビリティに関わる意識と消費行動(2)-意識は成長段階・行動は途上段階、教育機会や情報感度、経済的余裕が影響

サステナビリティに関わる意識と消費行動(2)-意識は成長段階・行動は途上段階、教育機会や情報感度、経済的余裕が影響
(写真はイメージです/PIXTA)

原料や製造過程において、環境や人権などのサステナビリティに配慮した企業や製品が増えています。日本の消費者はサステナビリティへの取り組みに対して、どの程度意識して消費行動を行っているのでしょうか。本稿では、ニッセイ基礎研究所の久我尚子氏が、消費者のサステナビリティに関わる意識や行動について解説します。

はじめに

現段階では価格よりサステナビリティを優先した製品を購入する消費者は少数派

前稿では、サステナビリティに関わるキーワードの認知状況や、サステナビリティに加えて節約にも関わる日ごろの消費行動について分析したところ、現在では実に7割の消費者が「SDGs」という言葉を認識していた。

 

また、買い物時にエコバッグを持参する消費者も7割を超えてプラスチックごみが出にくい消費生活が浸透しつつある一方、価格よりサステナビリティを優先して製品を購入する消費者は1割に満たなかった。また、若者よりシニアの方がサステナビリティに関わるキーワードを理解しており、エコバッグの持参等にも積極的な傾向があった。

 

本稿では、さらに分析を深めるために、より直接的にサステナビリティに関わる意識や行動について尋ねた設問を用いて、属性による違いなどを分析する。なお、分析には前稿と同様、ニッセイ基礎研究所が実施した調査(※1)を用いる。

 

※1:「生活に関する調査」、調査時期は2023年8月17日~23日、調査対象は全国に住む20~74歳、インターネット調査、株式会社マクロミルモニターを利用、有効回答2,550

 

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※本記事記載のデータは各種の情報源からニッセイ基礎研究所が入手・加工したものであり、その正確性と安全性を保証するものではありません。また、本記事は情報提供が目的であり、記載の意見や予測は、いかなる契約の締結や解約を勧誘するものではありません。
※本記事は、ニッセイ基礎研究所が2023年10月18日に公開したレポートを転載したものです。

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