金利が「株価」与える影響―金利上昇は「株価下落」につながりやすいが…
最後に、金利が「株価」に与える影響について説明します。
一般に、金利が低下した場合は株価の上昇につながりやすいといえます。なぜなら、投資家は預金や債券投資よりも、株式投資で利益を上げたいとして、株式の保有割合を増やすからです。これが株式の「買い要因」となり、株価が上がることになります。
一方、金利が上昇した場合は株価の下落につながりやすいといえます。なぜなら、株価の投資家はリスクの高い株式よりも、金利の上がった債券や預金などの保有割合を増やすからです。これが株式の「売り要因」となり、株価が下がることになります([図表])。
【金利の変動が株価に与える一般的な傾向】
・金利低下⇒株価上昇
・金利上昇⇒株価下落
以上は、株式市場を1つに(一体的に)とらえた場合の傾向です。
しかし、個別銘柄に着目すると、これに反する動きも見られます。どういうことなのか、金利上昇のケースで説明します。
一般に、金利上昇は株式市場にマイナスの影響を与えます。なぜなら、企業にとって、金利が上昇すると、金融機関からの借入コストが上昇するので、金融収支の悪化から企業利益が引き下げられる方向にはたらくからです。
特に、金融機関からの借入れ依存の高い企業にとって、金利上昇は業績に悪影響を与えやすく、該当する銘柄を「『金利』敏感株」といいます。電力やガスなどの公益関連、多くの固定資産を持つ不動産や鉄道などの銘柄が代表的な金利敏感株として挙げられます。
ただし、金利上昇でも株価が上がりやすい業種もあります。金利上昇局面は、景気が良好な状況が少なくなく、「『景気』敏感株」の業績向上が期待できます。具体的には、景気の変動によって業績が大きく変動する鉄鋼、機械、化学などが挙げられます。
また、長期金利が上昇すれば利ザヤ改善の恩恵を受けるとの思惑から金融機関の株が上昇する可能性も高まります。
「金利が上がると一般に株価は下落」が教科書的なセオリーですが、指摘したようにセオリーに反する銘柄もあります。保有している銘柄が、金利の局面でどのように動くかは個別に把握しておくことが大事です。
小松 英二
CFP® FP事務所・ゴールデンエイジ総研
代表・経済アナリスト
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