先輩がこぼした「金言」を思い出し、行動を始めたAさん
Aさんと姉は定期的に連絡を取っていたのですが、ここのところAさんの様子がおかしいと感じた姉は、Aさんにしつこく問いただし、失業したことを知りました。ビックリした姉は筆者のところに連絡。筆者はAさんと会ってお話することになりました。
Aさんからこれまでの生活を聞いた筆者は、「まず毎月の収支の予算組みを一緒にしましょう」と提案。するとたしかに、年金のほかにあと5万円、できれば8万円は収入が必要なことと、また今後ギャンブルを続けると家計が破産することがわかりました。
筆者はAさんに、ハローワークはもちろんのこと、福祉事務所や社会保険事務所、市役所の高齢者福祉担当の窓口にも行ってみることを勧めたところ、Aさんは「そういえば、会社がなくなるときに先輩もハローワークや役所に行くと言っていたな。そういうことなんだね」と納得してくれました。
筆者と会った次の日、Aさんはまずハローワークに行ってみることにしました。
Aさんがハローワークへ行った目的は、「仕事を見つけること」と受給資格のある「高年齢求職者給付金」の申請手続きをすることでした。
「高年齢求職者給付金」とは、満65歳以上で雇用されていた方(高年齢被保険者)が失業して職を探しているときに、基本手当(65歳までの失業保険のこと)に代えて給付される手当のこと。申請の条件は、退職時に勤務先から「雇用保険被保険者証」を受け取り、次の(1)(2)を満たしていることです。
(1)離職の日以前1年間に、雇用保険被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること
(2)失業の状態にあること
また、支給額は次のとおり一時金で給付されます。
Aさんの場合は、ハローワークに申請して7日間の待機期間後に、50日分の約28万円※が給付されました。なお、この高年齢求職者給付金は公的年金と併給されます。
※ 給付額は、離職した日の直前6ヵ月に支払われた賃金(賞与等を除く)を180日で割った額の5割~8割を日額とする。
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