70歳で失業…年金暮らしになって芽生えた“将来への不安”
それから7年後、Aさんは70歳で失業しました。理由は、工務店主が突然亡くなり、サラリーマンの息子が工務店を廃業させたからです。Aさんは退職金100万円を受け取り、無職になりました。これからは毎月年金6万円での生活です。
なお、厚生年金の適用事業所(会社や官公庁など)で働いたことのないAさんは、老齢厚生年金は受給できません。
満額保険料を納付していた場合、受給額は年額79万2,600円となりますが、家出から働き始めるまでラグのあったAさんは、国民年金保険料を納めた436月分、約72万円(月額約6万円)※1、※2となっています。
※1 受給額は年度ごとに変わる。令和5年度の満額(40年(=480月)満額保険料を納付した受給額は、年額で79万5,000円(昭和31年4月2日以降生まれ)、79万2,600円(昭和31年4月1日以前生まれ)。
※2 老齢基礎年金(25年以上)の受給者の平均年金月額は、令和3年度末現在で5万7,000円(厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より)。
総務省「2022年(令和4年)家計の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支は、年金などの実収入が13万4,915円。支出は、税金や社会保険料などの非消費支出が1万2,356円。食料や住居、水道光熱費といった消費支出14万3,139円を加えて15万5,495円と、毎月2万580円の不足となっています。
Aさんは、必ずしもこの統計値と同様にお金を使うことはありませんが、数値を参考に今後の生活を考えてみました。
年金をもらい始めた当初は給与も入っていたため、年金は「ギャンブルの原資が増えた」ぐらいの感覚でしたが、年金暮らしとなると話が違ってきます。
「収入は約半分になる。支出額も半分で生活するんなら、食事は1日1食だな。寮は出なくちゃならないから、家賃の安いアパートに引っ越す。でもこの年齢で入居は難しいと聞くし……。貯金はほとんど残っていないから生活の足しにはならん。毎月5万円は稼ぎたいが……どうやって生きていけばいいんだ」
Aさんはこれまでの行き当たりばったりな生活を後悔するとともに、今後のことを考えれば考えるほど、不安に押し潰されそうになりました。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!