20代にして頭髪が薄くなり、うつ病も患ってしまった「私」ことテッちゃん。人生の巻き返しを図るために初めて育毛サロンに飛び込んでみたのですが・・・。本連載は、2016年9月12日刊行の書籍『ハゲからの生還』から一部を抜粋して、育毛ビジネスの裏側をお伝えします。

店員の一言に呆然・・・「え、増えないの?」

20代の後半にしてハゲの襲来に打ちのめされ、うつ状態に拍車がかかった私。とはいえ、そのままあきらめたわけではありませんでした。

 

なんとか難局を打開するべく、初めに足を向けたのは、有名な育毛サロンでした。

 

いろいろなコースがありましたが、勧められるまま受けてみたのは、頭皮のマッサージ。

薬を塗りながら、頭皮をマッサージし、髪の毛を増やしていくというものです。私は、(どんなすごい薬なんだろう?)とワクワクしました。

 

ところが、サロンの人は、「髪の毛は増えません。維持するんですよ」と言い放ったのです。

 

普通、「え、増えないの?」とびっくりしますよね。

 

私も耳を疑って聞き返してみたら、「薄くなったら、いいカツラもありますから。でも、このまま薄くなっていくより、今のままのほうがいいですよね」。

そんな感じのことを言われました。

 

はっきり「サロンは無意味だ」と言ってもらえたのですから、今にして思えばありがたかったと考えるべきでしょう。

 

その後、自力でなんとか髪を生やそうと決心したのは、育毛初体験のときに「サロンってこんなもんなのか」とわかったためかもしれないからです。

 

1回お試しはしたものの、そこのコース料金は何十万、何百万とかかるので、「これはちょっと無理だ~」とあきらめました。

 

ですが、もし「絶対に増えますよ」と言われていたら、私はその何百万円かを工面していたかもしれません。

 

結局サロンに通うことは断念し、シャンプーと育毛剤を買って帰ってきました。

 

その効果かどうかはともかく、その後、しばらく抜け毛が気にならない感じになって、「薄いながらもほっと一息」の時期が続きました。

お試しサービス施術中に、客の「与信」をこっそり調査

いったん減り始めた髪の毛も、薄くなるペースは一直線ではないようです。

人によってサイクルは異なるようですが、私の場合、半年ぐらいの周期で、「最近、調子いいかな。減ってないな」と思うときと、「あれっ、ヤバいかも!」と思うときを繰り返しました。

 

その最初の「あれっ」で初めて育毛サロンに行ったのですが、しばらく経つと、また大きな「あれっ」の波がきました。

ちょうど30歳ぐらいのときでした。

 

ここで抜けるペースが速まったらまずいと思って、今度は別の育毛サロンに行ってみました。

 

アンケートを記入して待っていると、まず「お試し」ということで、7~8000円でシャンプーとマッサージの施術をしてもらえます。

 

そのお試しの施術、1時間ぐらいかけてやってくれるのですが、実はその間に、アンケート用紙に書いた私の住所、氏名、勤務先などを使って、クレジット会社に与信をかけられていたんですね。

 

与信が通るとわかったら、施術後に今度は育毛コースのプレゼンです。この営業が、やたらガンガンきました。

 

「あなたの頭皮をシャンプーしたら、これだけ髪が抜けましたよ」と、抜けた毛を見せてきます。

「これだけ抜けるって大変なことですよね。このままいったらツルッパゲになりますよ」

もう(どひゃー)です。

 

そういう育毛サロンのスタッフは、基本的に女性です。

その女性スタッフが、ハゲて気が弱った男に対して「いったいどうするんですか?」「こんな決断もできないんですか?」と、カサにかかって詰め寄ってきます。

 

そこまで責められると、育毛サロンというよりは、間違って変わった趣味の風俗店に入っちゃったのかと錯覚しそうです。

 

しかも、そうやって勧められるコースの料金が、半年で150万円とか200万円とか書いてあるのです。「これは、とてもじゃないけど払えない……」と思って、やはりほうほうの体で退散してきました。

ハゲからの生還

ハゲからの生還

杉山 哲矢

幻冬舎メディアコンサルティング

「ハゲ」…それは男性にとって、非常にデリケートかつ切実な悩みでしょう。 本書では、かつてハゲに苦しめられ、様々な努力の末に「超フサフサ」を取り戻した著者が、自ら体を張って検証した「本当に効果のある薄毛治療」を…

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