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収入は多いが、なかなか貯金が貯まらない、という人は多いでしょう。FPコンシェル株式会社代表取締役でFP兼マネーコンシェルジュである福本眞也氏の著書『お金は「金利」で増やすのです』(大和書房)から、貯金が少ない人の資産形成方法について書かれた箇所を一部抜粋して紹介。将来の不安を減らすため、具体的な方法と例を解説します。

運用益は計算が難しいため、コンピューターに計算してもらいましょう。「資産運用シミュレーション」で検索すると、いくつものウェブサイトが出てきます。私はよく以下のサイトを使っています。

 

・「ろうきん iDeCoシミュレーション」:iDeCoによる節税額や運用益が計算できます。 

 

・「Casio計算機 お金の計算(積立計算)」: iDeCoの他にもいろいろなお金の計算が可能です。

 

貯蓄も何もせずに浪費している場合に比べて、約1,025万円も違いが生まれることを知っていただけたらと思います。

②金利を見ながら資産形成をする場合

もう少しリスクを取って、iDeCoの投資先として株式より比較的値動きが安定した外国債券の投資信託を選んだ場合を考えてみましょう。

 

例えば、「先進国債券インデックス(5年間トータルリターン年率2.88%、年間信託報酬0.15%)」という商品に投資したとします。運用利回り2.73%(年複利で簡間易的に運用利回りから年間信託報酬を控除した数値を基に計算。以降も同じ)で5年間運用した場合、積み立てた元本は(2万円×12ヵ月×5年=)120万円、運用益は8万6,000円になります。合計すると、5年後には(30歳のころには)128万6,000円になっています。5年間の節税額は、(4万8,500円×5年=)24万2,500円です。

 

5年後、市場の金利を見極めてリバランスをしたとします。例えば、物価が上昇して(インフレになって)、政策金利と長期金利が上昇した場合は、より金利(運用利回り)が高い債券の投資信託に変更します。

 

逆に、物価が下がって(デフレになって)、政策金利や長期金利が下がっている場合は、そのまま継続するか、もしくは株式型の投資信託に変更することも考えていいかと思います。分散投資を意識して債券型と株式型5:5でもいいでしょう。REIT(または不動産投資信託は、公衆から調達した資金を不動産投資する金融商品の一種)なども検討してみると、さらにいいですね。

 

ここでは、そのまま金利(運用利回り/信託報酬控除後)2.73%のまま、35年間運用した場合の結果を示しておきます。

 

35年後(60歳)の運用シミュレーション

 

積立元本……毎月2万円×12ヵ月×35年=840万円

 

金利(利息)による運用益……約558万円

 

節税総額……約170万円

 

総額(35年後)……840万円+558万円+170万円=1,568万円

 

年金保険の場合よりも、543万円ほど多く資産を築くことができる、という結果になりました。

 

 

福本 眞也

FPコンシェル株式会社 代表取締役

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

お金は「金利」で増やすのです

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福本 眞也

大和書房

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