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収入は多いが、なかなか貯金が貯まらない、という人は多いでしょう。FPコンシェル株式会社代表取締役でFP兼マネーコンシェルジュである福本眞也氏の著書『お金は「金利」で増やすのです』(大和書房)から、貯金が少ない人の資産形成方法について書かれた箇所を一部抜粋して紹介。将来の不安を減らすため、具体的な方法と例を解説します。

投資は「コアとサテライトを分けて考える」

投資は、コア部分とサテライト部分を分けて考えることが大事です。特にコア部分では投資の基本である、長期・積立・分散を意識した投資をします。

 

Aさんの場合、次のように考えました。

 

コア部分:iDeCoで確実に老後資金を蓄える
サテライト部分:最初は貯蓄し、NISAや一般投資で積極的に投資する

iDeCoで老後資金を築くには?

コア部分についてですが、月10万円のうち2万円をiDeCoで積み立て、将来の老後資金を構築しましょう。

 

iDeCoは個人型確定拠出年金と呼ばれているもので、自分で運用する年金制度です。資産が引き出せるのは60歳以降になりますが、将来年金として毎月受け取る方法以外に、退職金のように一時金としても受け取れます。ベンチャー企業には退職金制度がないところもあり、Aさんもそのことで不安を抱えているようですので、自分で退職金を積み立てていくのがいいでしょう。

 

企業年金のない会社員の場合、掛け金の上限は月2万3,000円で(年間27万6,000円まで)、掛け金は全額が所得控除になり、また運用益も非課税になります。ちなみに個人事業主やフリーランスの方は、掛け金の上限は月額6万8,000円となっています。年金加入区分により掛け金上限が異なりますので、ぜひ公式サイトなどで調べてみてください。

 

ただし、iDeCoで運用できるのは大きく分けて2種類で、ある程度のリスクを取り運用をプロに任せる投資信託と、元本が保証される定期預金や年金保険(契約期間の途中で解約すると元本割れすることもあります)商品のみです。あくまでも老後の年金や退職金として受け取れるお金ですから、リスクの取り方をよく考えて投資商品を選びましょう。

①より堅実に資産形成をする場合

まず、確実に資金を貯めていきたい方におすすめなのが、年金保険という運用商品です。分散投資にはならず、また金利(利息)は0.1%しかありませんが、毎年、(所得税2万4,500円+住民税2万4,000円=)合計4万8,500円を節税できます(Aさんの場合)。

 

仮に今後も収入は変わらず、将来の家族の扶養控除などを考慮しない場合、25歳から60歳まで積み立てを続けると、35年間ですので、総額(4万8,500円×35年=)169万7,500円、つまり170万円近くも節税効果を享受できるのです(口座管理手数料など考慮なし)。

 

*口座管理手数料は国民年金基金連合会などに対して、加入時に2,829円、以降、毎月171円(年間2,052円)がかかります。これとは別枠で金融機関ごとに異なりますが0〜500円程度かかりますので、口座開設の際は金融機関を慎重に選びましょう。とはいえ節税効果を考えると微々たるものですから、iDeCo制度は大変お得です。以降のシミュレーションも口座管理手数料は考慮していません。

 

35年後(60歳)の運用シミュレーション

 

積立元本……毎月2万円×12ヵ月×35年=840万円

 

金利(利息)による運用益……約15万円

 

節税総額……約170万円

 

総額(35年後)……840万円+15万円+170万円=1,025万円

次ページ②金利を見ながら資産形成をする場合
お金は「金利」で増やすのです

お金は「金利」で増やすのです

福本 眞也

大和書房

金利を知れば、世の中の動きを先読みできる 日本では長らく低金利が続いていきましたが、2022年から2023年にかけてアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、そしてヨーロッパ各国も続々と金利を引き上げています。 マ…

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