(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、マネックス証券株式会社が2023年10月6日に公開したレポートを転載したものです。

日本株が反転上昇に向かう理由

いずれにせよ、日本株は今月下旬から本格化する4-9月期の決算発表を受けて、反転上昇に向かうと考えている。その理由は、今回の中間決算の発表では業績の上方修正が相次ぐことが予想されるからである。これだけの円安を考えれば業績が上振れないほうが不思議である。

 

大手証券各社はいずれも今年度の為替レートの前提を以前の想定から円安方向に見直しているが、それでも130円台後半まで。実勢レートよりも10円も円高であり、市場の予想もまだ保守的である。

 

加えて、原材料高や物流コストの上昇が一服しつつあるなかで値上げが進み、利幅も拡大するだろう。さらに供給網が改善していることもプラス要因。一時、懸念された中国景気ですら先行指標には改善の兆しが見え始めている。想定外の上方修正ラッシュとなる可能性がある。

 

9月末のQUICKリビジョン・インデックスは大きく上昇した。業績を上方修正するアナリストが多いということである。当然だが、予想EPSの改善につながる。グラフはリビジョン・インデックスと日経平均のBloomberg BEST(予想EPS12ヵ月ブレンド、前月変化率の3ヵ月移動平均)を重ねたものである。

 

これだけ急落で始まった年度後半のいまの相場には、この業績の上振れ期待は無論、織り込まれていないだろう。好材料が目の前にあり、株価がそれを無視して需給で大きく調整している。What are you doing? 答えは明らかである。

 

出所:QUICKデータ、Bloombergデータからマネックス証券作成
[図表2]QUICKリビジョン・インデックス(青)と日経平均のBloomberg BEST(赤) 出所:QUICKデータ、Bloombergデータからマネックス証券作成

 

 

広木 隆

マネックス証券株式会社

チーフ・ストラテジスト 執行役員

 

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