よく知っている会社、身近な企業に投資しよう
株式とひと口にいっても、さまざまな手法が存在します。短期間でお金持ちになれる可能性が高いという理由から、私は個別株を中心に売買していますが、まずは「投資信託」からスタートすることをおすすめします。
その場合、本書刊行時の2023年秋であれば、NYダウやナスダックに連動するものよりも、日経平均株価に連動するものがよいでしょう。なぜなら、これから日経平均株価は上昇していく可能性が高いからです。
また、それと並行して、個別銘柄も買い始めることをおすすめします。証券会社に口座を開設しさえすれば、必要な情報は「無料」でいくらでも提供してもらえます。
たとえば、日経平均株価のチャートだけでなく、さまざまな指標の推移を閲覧することができます。また、個別銘柄についても、ここ数年の売上高、利益率のチャート、会社概要、株主優待なども簡単に確認できます。
ちなみに、口座はどの証券会社でも構いませんが、初心者の方であれば、手数料が安い楽天証券やSBI証券といったネット証券が第一候補になるでしょう(この2社は2023年9月、10月以降、日本株の売買手数料を無料にすると発表しています)。
そして、まずは、ご自身の仕事に近い業界の銘柄や、日常的に使用しているモノ・サービスを手がけている会社の株からスタートするとよいでしょう。
世界一の個人投資家であるウォーレン・バフェットが「よく知っている会社、身近な企業に投資する」というスタンスであることは有名ですが、とくに初心者であれば、難解な技術を駆使したサービスを展開するハイテク企業や、最先端の医療技術を活用しているバイオベンチャーなどは、株価の上下も激しいため、中・上級者になってから手を出しても遅くはありません。
また、個人投資家の資産形成を支援する目的で創設された「NISA」(少額投資非課税制度)の枠が2024年から拡大すると発表されて話題になっています。ポイントは3つです。
①非課税枠が「360万円/年」に拡大
②非課税保有期間の「無期限化」
③投資枠の再利用が可能
簡単に説明すると、株を売却することで得た利益に対して、通常20%程度の税金がかかりますが、非課税枠内であれば税金はかかりません。
さらに、現行制度では「つみたてNISA」(40万円/年)と「一般NISA」(120万円/年)のどちらかを選択する必要がありましたが、新制度では、「つみたて投資枠」(120万円/年)と「成長投資枠」(240万円/年)を併用できます。さらに、これまでは一度売却してしまうと「投資枠」は復活しませんでしたが、新制度では再利用が可能です。
こうした知識はあるのとないのとでは、手元に残る金額が変わってくるため、NISAに限らず、新しい政策が発表された際は、しっかりと確認することをおすすめします。そのうえで、大事なのは「中身」です。