投資で勝つのに経済学の知識はいらない
株式投資で勝つために必要なのは、難しい経済学の勉強や財務の知識ではありません。もしそれらの知識が投資に有利なら、大学の経済学部の教授や会社の経理部の人が、投資で大儲けしているはずです。
株式投資のヒントは、みなさんの日常生活の中にたくさん潜んでいます。そして、株式投資をすることのメリットは、資産が増えることだけでなく、世の中の仕組み、ビジネスの本質を学ぶことができる点にあります。
株式投資を始めると、すべての経済ニュースが自分に関係のあるものになってくるため、自然と視野が広がっていきます。卑近な例でいうと、以前、私はアシスタントの女性から「TORY BURCHの靴が流行っている」と教えてもらったことがあります。それを聞いたとき、私の頭をよぎったのは「どんな会社がつくっているのだろうか?」という疑問でした。
そこで早速、ハイブランドが軒を連ねるデパートに行って、「どこから仕入れているのか」と質問してみました。そこでわかったことは、海外の品物ではあるけれど、それを輸入している日本の会社があるということ。調べたところ、上場していました。
しかも、当時は百数十円という安値で、5年くらい低位で推移していました。これは絶対上がると思って購入したら、案の定、そこから3~4倍に跳ね上がりました。
デパートに並んでいるようなものでなくても構いません。たとえば、以前、スーパーのバターの在庫が底をついた時期に、どんな企業の株が上がったかといえば、六甲バターでした。近年でいえば、卵の価格が急上昇したりもしていますね。
あるいは、ロシアがウクライナに侵攻したことで、株価が上がった銘柄もあれば、下がった銘柄もあるでしょう。海運や鉄鋼の特需についてはすでに述べた通りです。
また、政治と経済は密接につながっているため、政局についてもウォッチしておくと、株価の動きを予測するのに役立ちます。