金融引き締めが原因で日本はデフレになってしまった
バブル崩壊から今日までの日本経済をざっとおさらいすることで、なぜ「いま」株式投資を始めるべきかを解説します。日本経済の「この部分」を知っておくと、株式投資をする際に大変参考になります。
日本のバブルのピークは1990年。その後、膨れ上がったバブルが弾けて約30年間、日本はデフレの時代が続きました。そのデフレの時代が終わるきっかけとなったのが、先述した「コロナバブル」であり、2020年に「底」を迎えた日本経済は、2023年からいよいよインフレに向けて動き出す―。これが、私がいま描いている日本のこれからになります。
そもそも、なぜ日本はデフレになってしまったのでしょうか。
その原因は、1990年のバブルピーク時に、日本銀行が急速な金融引き締めを行なったことにあります。資産価値の上下を表す言葉に「資産効果」というものがありますが、この日銀の金融引き締めは「逆資産効果」、すなわち、資産がどんどん減っていくきっかけとなってしまいました。
急速な金融引き締めによって、資産価値が下がる理由は簡単です。金融引き締めを行なうと、それまでお金を貸し出していたり、投資をしたりしていた法人、個人がお金を引き揚げ始めます。たとえば、ある法人に1,000万円貸していた銀行がある日突然「1,000万円返してください」といい始めるようになります。
そうすると、銀行からお金を借りて不動産を購入していた法人は、せっかく購入した不動産を売却しなければ返済できません。また、新しい投資を計画していたとしても、借入が難しくなれば頓挫してしまうでしょう。銀行からお金を借りて車を購入していた個人であれば、車を売却しないと借金を返せなくなってしまいます。
その結果、何が起きるかといえば、モノの価値がどんどん下がることになります。モノの価値が下がって上がらない状態を「デフレ」と呼びます。
バブル崩壊前夜がそうであったように、デフレは、だんだんと進行していきます。敏感な人から売り始めます。全員が「デフレだ!」と気づいたときには時すでに遅しで、慌てて売り始めても、すでにモノの価値はずいぶんと下落していますから、売りたい値段では売れない……ということになります。