代金決済の立会いと確認は司法書士が行うことが一般的
前回に引き続き、不動産売却の基本を見ていきます。
【売却の基本ステップ4】決済・引き渡し
一般的な流れとしては、売買仲介業者が、代金決済期日の調整を行います。決済場所と時間を決めて、売主、買主の都合をすり合わせます。その後、代金決済方法の調整を行います。建物管理会社に管理費清算月の確認、賃貸管理会社に家賃清算月の確認と、賃貸契約書原本・鍵などの取り寄せを行います。
決済金清算書の作成と送付、引き渡し登記関係必要書類の送付は同時です。代金決済の立会いと確認は、司法書士が責任をもって立ち会います。売主は、借入先の金融機関へ、完済申請書の提出と完済金額の確認を行います。そして決済金清算書を確認して、完済不足資金の準備を行います。
売買代金の受領と物件の引き渡しに関しては、必ずしも出席する必要はなく、業者に代行してもらうことも可能です。
買主が業者であれば、ローンの審査を待つ期間がないため、決済は早いです。特約条項などもありません。ところが個人投資家の場合は、ある程度時間がかかることを見込んでおく必要があります。
転売目的での売買で行われる「中間省略」とは?
また、転売目的の業者が、中間省略で買いたいというケースもあります。本来は買主である業者へ所有権を移転するのですが、登記保留のままで決済をします。業者はだいたい2〜3カ月の間にその次の買主を見つけて、登記移転をさせて転売を行います。もちろん、次の買主が見つからないこともありますが、売主側においては売買契約が成立しています。何も心配することはありません。
■中間省略登記
2005年に不動産登記法が改正され、中間省略登記を行うことができなくなりました。そのため現在行われている中間省略登記は、「新・中間省略登記」と呼ばれるもので、正式には「第三者約款付き売買契約」のことを指します。
下の図表にあるように、通常はA→B→Cと不動産の所有権を移転させますが、新・中間省略登記であれば、A→Cに直接名義を変更できるので、中間者であるBには、登録免許税、不動産取得税が課税されません。
【図表】物件売却における手続き