知財のメリット・デメリットとは
いわゆる製造業の企業が、従来のビジネスモデルで新商品を開発するとなると、何度も試行錯誤しながら開発に励まなければなりません。その間、人件費や材料費がかかるのはもちろん、在庫も持たなければなりませんし、場所の制約もあるでしょう。
一方、知財は物理的な制約のない資産です。それだけに柔軟に活用できます。現代であれば世界中の情報を収集し、アイデアへと昇華させることも可能です。また、それを国内外で活用してビジネスにつなげることもできるでしょう。
海外の企業は、世界中で情報を交換し、データを送り合いながらアイデアを研ぎ澄ませています。そこから、成長に欠かせないいくつもの知財が生まれることもあるのです。必ずしもモノを送る必要がないため、輸送費や関税を気にすることなく、事業の種を育てていけるのです。
物理的な制約がないからこそ、どんどんアイデアを出し、広げていくことが大事です。工夫次第では青天井にビジネスを拡大できます。まだ、こうした発想で知財を捉えている人は少ないと思います。しかしこれが、世界との差となっているのです。
その一方で、アイデアは物理的に腐ることはありませんが、時代とともに陳腐化するリスクがあります。だからこそ、スピーディに活用して、事業化に向けて常に動かしていくことが重要です。
その間に、参入障壁を築いておくために積極的に出願・権利化し、特許を取得していくことが得策である場合もあります。
ただし、特許は持っているだけでお金がかかりますし、先述の通り特許の仕組みは時間が掛かりますので、権利化しておくことのメリットとデメリットは常に冷静に見極めながら制度を利用することをお勧めします。
データのような知財も取り扱いに注意が必要であるため、流出等を未然に防ぐためにも、専門的な知識を入れながら迅速に取り組んでいくことが大切です。
知財ミックスを実践する「オプティム」
そうした発想で知財ミックスを実践している日本企業も存在しています。例えば、AI・IoT・Robotサービスを提供しているオプティムは、事業戦略の中に知財を含めながら、同社のコンセプトを支える知財の出願や権利化を積極的に行っています。
そのようにして知財ポートフォリオを構築し、急成長を実現しており、各業界とITを融合させながら、さらなる規模の拡大を目指しています。
鈴木 健二郎
株式会社テックコンシリエ代表取締役
知財ビジネスプロデューサー
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